マリインスキーの来日ガラを観てきました。
若手ダンサーからプリンシパルまでが登場する総力公演?です。
一番見たかったのは永久メイさんとマリア・ホーレワの新人2人です。
キャスト表(クリックで拡大)
なんといっても最初の「ショピニアーナ」の幕が上がった瞬間の高揚感が忘れられません。
仄明るい舞台に暖色の幻想的な舞台はとても美しかったです。
また、エカテリーナ・オスモールキナの音のしないポアントワーク、柔らかなポールドブラが素晴らしかったです。
彼女は当初キャストされていたアナスタシア・マトヴィエンコ降板のために来日することになりましたが、来日してくれて、見れて本当に良かったと思いました。
「ローズ・アダージョ」を踊ったマリア・ホーレワは、ほぼ設定年齢に近くあどけなさも残る、可愛らしいオーロラでした。
永久メイさんは一部のドン・キ公演をけがで降板していたので、ガラは出演危ういかと思っていたのですが、踊ってくれてよかったと思いました…。
「海賊」のメドーラは、永久さんにはあまり合わない役とは思いましたが、技術の高さはさすがでした。
私は永久さんの踊りの正確さ、優雅さ、決まってほしいところでピタっと決まるところがとても好きです。
会場を沸かせていたのは、ケガ降板になったヴィクター・カイシェタの代わりにパートナーを組んだキミン・キムでした。
彼が重力が瞬間的に消えたようなジャンプをするたび、鋭く回る度、会場から大きな拍手が沸き起こっていました。
また、このガラでは、彼のサポート力の高さも感じられ、忠臣アリはピッタリ、キミンの好サポートのおかげで良いパ・ド・ドゥだったと思いました。
「ソロ」は3人の男性ダンサーがかわるがわるひたすら踊り続けるハードな作品。
鋭く素早い動きの連続は非常に見応えがありました。
ザンダー・パリッシュが踊った「バレエ101」は演目として面白く、もう一度見てみたいです。
コミカルでしたが、バレエはつまるところポジションの一連のつながりなんだということが感じられる、興味深い演目だと思いました。
残念だったのが「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」。
ウラジミール・シクリャローフはどこか痛めていたり、不調だったのでしょうか…(それか、やる気がなかったのかんでしょうか…)
しょっぱなから回転中のサポートの時?に、パートナーのバトーエワを取りこぼしそうになった場面があり、客席から悲鳴が上がっていました。
その後もなんだか気合いの入らない様子で、こちらもまた何かおこらないかハラハラしてしまってあまり集中できず…
楽しみにしていただけに、かなり落ち込んでしまいました。
「パキータ」は、エカテリーナ・コンダウーロワが華やかさ満載で、眼福でした。
美しくそろったコール・ドに石井久美子さんを見つけましたが、少し列が動くとすぐに見つけるのが難しいくらいロシア人に溶け込んでいました。
本当に素晴らしいスタイル…。
パキータのソロ・ヴァリエーションではマリア・ホーレワが再登場。
彼女の、回転をする時に首を一瞬振るような瞬間があまり好みではないのですが、難しい回転の続くヴァリエーションを難なくこなしており、きっと彼女は次の来日公演の時はプリンシパルなんだろうな…と思いつつ観ていました。
また、同じくソロのヴァリエーションを踊ったマリア・イリューシキナの居住まいがすらっと美しく、またポードブラの柔らかい、とても優雅な踊りが好みでした。
彼女の踊りは癖がないように感じました。
若手からプリンシパルまで、層の厚さを改めて感じるガラ公演でした。