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ju-hachi

2019/12/28 Konyok-Gorbunok (The Little Humpbacked Horse)[The Mariinsky Ballet] 感想

マリインスキー2で、いわゆる"せむしの仔馬"、ラトマンスキー振付版を観ました。


あらすじはジャパンアーツ ブログさんが詳しいです↓
[http://ja-ballet.seesaa.net/article/123612954.html]

 

チケットの値段が比較的お安めで、会場には子供も多かったです。
夜公演のチケットを取った後から確認したら、昼公演が上演100回記念か何かだったと書いてあった気がします。

 

キャスト表(クリックで拡大)

cast

 

 

 

この作品は初見だったのですが、コミカルで楽しく、かつ、感動的な作品でした。

曲が躍動感あり、すごく素敵です。
マリインスキー2の音響も良く、より感動が増しました。

 

セットは簡素で、ほとんど大きなセットは登場しません。

出てきても、ただの箱みたいなものだったり。
衣装は全体的にモダンで、コールドの衣装は人の顔が書いてあったり、なんだか前衛的でした。
(こういう衣装の意図が分かればもう少し楽しめるんだろうなぁと思いました…)


振り付けが主役からゴールドまでめちゃくちゃハードでした。

かなり大人数のコール・ドが、セットのほぼない舞台中で踊るので、非常に見応えがありました。

 

 

イワンを演じたアレクサンドル・セルゲーエフが全編通してキュート!でした。
舞台化粧と遠目だからか、あまりに可愛いのでマリ公式サイトの写真が別人過ぎるから変えた方がいいんじゃないか、と思ったくらいでした。
(その後インスタで素顔を見かけた時はマリ公式サイトの写真そのままだわ、と思いました…。)
美しくよく動く上半身と、大柄でもないのに力強く、大きく見えるような踊りで、特にイワンと仔馬がユニゾンで踊る場面が素晴らしかったです。

 

 

姫君役のアナスタシア・マトヴィエンコはスタイル抜群でした。

すごく小顔で、立った時の足がとてもきれいだなぁと思いました。
この姫君役としてはやや弾けきれないというか、表情の変化が少な目でぎこちない感じかな?と思う場面もあったのですが、無理難題を申しつける、ちょっと(かなり?)残酷ですが愛らしい姫君をよく演じていたように思います。

 

ドミトリー・プィハチョフ演じる、ちょっとダメな皇帝の演技がとても良かったです。
特に熱湯に沈んでいくシーンは迫真の演技でで、客席から多くの拍手が送られていました。
また、ユーリ・スメカロフ演じる侍従も強面なのにコミカルな演技も非常に観客に受けていました。

 

ラスト、主役のイワンが、倒れこんだり、失敗したようなフリをいれつつ、「もう1回ね?」といった感じで足技続きの踊りや回転を披露する場面は、観客がみな承知の様子で曲に合わせて手拍子をしはじめ、みんなもうおなじみでわかってるのね…!と感心しました。

このソロのそれはそれは高い跳躍、足さばき、回転、本当にセルゲーエフ、見事でした。

あと、ここの音楽も狂おしい程好みで泣きそうでした。

 


フィナーレには、熱湯に消えた王様も出てきて、曲にあわせてレヴェランスが続きます。
大団円のハッピーエンドです。
童話の絵本を読んだような楽しい気持ちで帰れる作品でした。

 

カーテンコール、ラストの挨拶はタイトルロールの仔馬役が中心だったのが印象的でした。

 

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