18

18

ju-hachi

2020/2/9 海賊 全幕[公益社団法人日本バレエ協会] 感想

日本バレエ協会の海賊、上野水香&中家正博ペア回を見てきました。

 

上野水香さんの踊りを生で見たことがなかったのでこの機会に、と思ったのと、最近新国のダンサーの中で中家が気になっていたので。

しかし、ソワレ、かなり空席が目立っていて寂しい感じでした…

 

キャスト

casts

 

 

今回上演されたヴィクトール・ヤレメンコ版の海賊は、イギリスの詩人であり”海賊”のもととなった詩の作者のバイロンが詩作にふける中、”海賊”の夢を見る、というような筋書きのもので、大抵、3幕で上演される海賊を2幕形式としたものでした。

船が難破するシーンはなかったり、オダリスクや、アリとコンラッドとメドゥーラのパ・ド・トロワも通常と挿入されているシーンなどが異なるなどの違いはあるものの、ストーリーはわかりやすく、かつ踊り部分は充実して、かなりうまい具合にコンパクトにテンポの良い作品になっていました。

冒頭、ラストのバイロンのシーンはバイロンコンラッドのダンサーが演じますが、このシーンも思っていたよりも特に蛇足感もなく、うまく溶け込んでいました。

 

要所の踊りの振り付けなどはマリインスキーで踊られているものとほぼ変わりません。

 

実は去年の日本バレエ協会の白鳥の演出が個人的にはあんまり…だったので、ゲストダンサーの踊り部分を楽しむだけの公演と思ってチケットを取っていたのですが、ここまで楽しめるバージョンでの上演だったのが予想外でした。

 

 

主役の上野さん、中家さんの二人は身長が高くて存在感あり、踊りもダイナミックでした。

想像していたよりも良いパートナリングで、安心してみることのできる踊りでした。

中家さんは頼れる兄貴感のあるコンラッドで、終始笑顔で楽しそうに踊っていました。

上背があり、かなりがっちり重そうなのに、ボディーコントロールがうまいのか、跳躍後の着地がしっかりと決まっていてパワフルかつ丁寧な踊りでした。

 

 

上野さんは足の甲があまりに素晴らしく高いので甲ばかり注目して見てしまいました。

腕使いがやや独特に思えたのですが、足が美しくドゥヴァンもデリエールもアチチュードに見惚れてしまいました。

彼女のメドゥーラはお姫様というにはかなりチャーミングなメドゥーラではありました。

 

より姫君らしかったのはギュルナーラの奥田花純さんで、とっても上品な踊りでした。

安定したテクニックで、細かな足さばきが優雅で回転も力みなく、可憐でとても役にハマっていて、個人的にはかなり理想のギュルナーラでした。

 

ランケデムの高谷遼さんの跳躍もどれも小気味よくてよかったです。

男性ダンサーによる海賊のコールドの踊りもかなり迫力があり、花園のシーンのコール・ドも大人数で豪華で見応えがありました。

 

また、バクラン指揮のオーケストラがエネルギッシュでテンションが高く、会場を盛り上げてくれました。

予想外に満足度の高い、充実した公演でした。

 

冒頭には協会代表の岡本氏とヤレメンコ夫妻によるプレトークもあり、代表の岡本氏が「2時間の上演を楽しんでいただいて、今夜は満月のようですので、空を見上げてお帰り下さい」、といったことをおっしゃっていたのですが、その通りの素晴らしい満月を満ち足りた気持ちで見上げながら帰ることができました。