ここ何年かは毎年見に行っている、日本バレエ協会の公演を今年も見に行ってきました。
気づいたのは第二部を見た時ですが、要はオーロラ姫と王子の出会い~オーロラ姫の目覚めまでを一部のコンテンポラリー作品で、結婚式のシーンを二部のクラシックで、という構成になっているようです。
キャスト
【第一部】Little Briar Rose(いばら姫)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー ほか
振付・構成・演出:遠藤康行
美術:長谷川匠
音楽監修:平本正宏
衣裳:朝長靖子
バレエ・ミストレス:梶田留以
アシスタント:原田舞子
キャスト
■オーロラ:木村優里
■王子:渡邊峻郁
■カラボス(マジシャン):高岸直樹
梶田留以、金田あゆ子、木ノ内乃々、柴山紗帆、原田舞子、石山沙央理
石原一樹、磯見 源、上田尚弘、岡本壮太、南條健吾
小幡真玲、南 帆乃佳、田代幸恵、井後麻友美、海老原詩織、橋本まゆり
【第二部】オーロラ姫の結婚
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
振付・構成・演出:篠原聖一
振付補佐:下村由理恵
バレエ・ミストレス:佐藤真左美
キャスト
■オーロラ姫:寺田亜沙子
■デジレ王子:浅田良和
■リラの精:大木満里奈
■フロリナ王女:勅使河原綾乃
■青い鳥:高橋真之
■白い猫:寺澤梨花
■長靴を履いた猫:江本 拓
■赤頭巾:清水美帆
■狼:小山 憲
■王妃:テーラー麻衣
■フロレスタン王:小林貫太
■式典長:奥田慎也
■宝石の精
渡久地真理子、古尾谷莉奈、渡辺 幸、加藤大和
■マズルカ
青島未侑、金海亜由、金海怜香、栗田陽南
小林由枝、染谷智香、須貝紗弓、中村彩子
深山圭子、細井佑季、宮本 望、山内綾香
石原稔己、オリバー・ホークス、川﨑真弘
草薙勇樹、小林治晃、高橋 開、竹本悠一郎
秦野智成、安田 幹、安中勝勇
荒井成也、田村幸弘
■貴族
大塚彩音、小野田奈緒、佐藤愛美
田代夏花、寺坂史織、野澤夏奈
八木真梨子、林 彥均
キャスト表は配布や掲示などを見つけられなかったので2021都民芸術フェスティバル公式サイトからコピペです。
パンフレットは購入いたしませんでした。
会場にいろいろな舞台のセットの展示がされていたり、ギャラリー・トークもあったようなのですが、これがあるのをまったく知らなくって、割とぎりぎりに来てしまったので、聞けませんでした。。。
第一部は、遠藤康行氏振り付けの"Little Briar Rose"(いばら姫)。
これ、とても面白かったです。
ダンスも、舞台装置もとても見ごたえがあって、飽きませんでした。
詳細に振り付け等が意図するところがわかったわけではもちろんないと思うのですが、物語が辿りやすい比較的わかりやすい作りの振り付けではないか、と思いました。
個人的にはオーロラと王子の造形・衣装が大変ツボで、これだけでも見に行って良かった。
オーロラは、ピンクの髪の毛で一本の長い三つ編みのカツラ、ミニ丈でふわふわっとしたスカートのゴールドの衣装、王子は銀髪っぽい色で、衣装が銀色スーツ。
対になった色合いと、若者!って感じの雰囲気がツボでした。
踊りで特に良かったのは王子の渡邊さんでした。彼はコンテンポラリーの時の方が吹っ切れててよい踊りのような気がしました。
以下、踊りのメモだけ…
・幕開けは通常の眠りなら2幕のワルツの曲。この曲でダンサーが舞台上を縦横無尽に走りまわる、大変激しい踊り。圧倒される感じで見ごたえたっぷり。女性ダンサーは全身ベージュでスカートの衣装、男性ダンサーは黒い衣装。
・ピアノの曲が挿入され、オーロラのソロから、カラードレスを纏った妖精たちの踊り。曲も通常の眠りの妖精達の踊りの曲。
・ローズアダージョの曲でオーロラと、王子のパ・ド・ドゥ。オーロラと王子の掛け合いがなんだか可愛くてよかった。
・舞台の上部に三角形とか四角形が組み合わさった舞台装置があり、それが音楽が変わる度に動いていた。
・2幕100年後の王子登場付近のシーンの曲から1幕のカラボス登場の曲になり、カラボス登場。カラボスは真っ黒の衣装で、マントを着用。舞台上部に配置されている棒の組み合わせに緑色の照明があたり、それが床に移った様がまるでいばらのように見える。(そもそもが上の棒のセット達が”いばら”ということだったのかもしれないが…。)
・カラボスが、なにやらいばらのセットと似た棒を持っている。カラボスの手下と思われる仮面をつけた者たちも。妖精や王子が同じく棒を持って戦う。
・オーロラ、棒に刺されて、全員が倒れる。
・メトロノームとコンバスの低音とが鳴る曲。ミニマルミュージックのような。時間を刻んでいる、というイメージなのだろうか?すさまじい不協和音…
・ダンサーは寝転がったまま衣装を舞台上で脱いでベージュ色の衣装だけになりつつ、顔にもベージュ色の布をかぶる。上から、四角形と三角形が1人1人のダンサーのところまで下りてきて、それらの記号の中にダンサーが収まって、ダンサーはそれを持ち上げたりもするが、出られない。もがくような踊り。
・チューニングの時のような、ミとラの音が聞こえてきて、ラスト、2幕のヌレエフ版だと王子のソロになる曲でラストオーロラが目覚めるところで幕。
開演前のアナウンスで、一部のカーテンコール時に係員がプラカードを掲げたら写真撮影OKです、と言われていたので、ラスト撮ってみました。
第二部は結婚式のシーン。こちらはごく一般的なクラシックです。
全体的にはイマイチでした。
新国立の眠りを散々見た後だったからですかね…なんだか一体感が薄くて見ごたえがありませんでした。
キラキラの衣装がとても美しくて、それはとてもよかったと思いました。
冒頭、メヌエットは王と王妃が踊っていて、その後、通常なら1幕で踊られるリラの精のヴァリエーションが挿入されていました。
あとは、宝石→ブルーバード→猫→赤ずきん、の順のディベルティスマン、猫は被り物ではなくてお化粧しているタイプでした。
宝石の踊りは比較的良かったのですが、他は特筆すべきところはなく…特にブルーバードの女性の方、ピッチピチの元気いっぱい!って感じの踊り方に思えましたが、あまり好みではありませんでした。(私はこの踊りに非常に優雅さを求めているのだな、と思ったり…)
オーロラ姫とデジレ王子のパ・ド・ドゥ、悪くはなかったです。
予想よりはよかったかもしれない。
寺田さんは、特に足運びが物足りないと思う時や、背中の動きが欲しい、と思うシーンもあったのですが、手先がとても美しかったと思いました。あと、コーダの回転がとても決まっていました。オーロラソロはどっちかというとロイヤル版の踊りでした。
浅田さんの王子はなんだか情熱的な感じのする踊りで、あまり好みでなかったです。少なくともデジレ王子の雰囲気ではなかった気がする。
(あと、この方の踊りの最中、マネージュとか凄い早いタイミングで猛烈に拍手しだす観客がいて、イラっとしてしまいました。)
ラストはオーロラ姫と王子は長いマントを纏って登場し、「アンリ4世賛歌」で幕。
そういえば、それぞれのディベルティスマンの登場人物がはけていく位置が違ったのが何となく気になってしまいました。