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ju-hachi

2021/7/8 新作ロックバレエ「ROCKBALLET with QUEEN」 感想

福田圭吾さん演出・振り付けの「ROCKBALLET with QUEEN」を観てきました。

日本のバレエ団のトップダンサー達そろい踏みの贅沢な公演で、結構前から楽しみにしていました。

生憎の雨でしたが会場はほぼ満員だったのではないでしょうか。

 

とても楽しくて元気が出る公演でした。1回しか公演しないのがもったいなかったです。

 

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演出・振付:福田圭吾
出演:秋元康臣/池本祥真/井澤駿/菊地研/長瀬直義/米沢唯/壺阪健登

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全曲QUEENの曲を使用し、生のピアノ演奏を交えた公演。

3分の2くらいはストーリー仕立てになっていました。簡単にメモ。(敬称略)

 

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幕開け、紗幕越しに、バーに4人の男性(秋元・井澤・菊地・長瀬)がうらぶれた様子でいる。物語の進行役(?)・池本が紗幕を上げ、物語が展開し始める。カラフルな服をまとった美しい女性客(米沢)が店に訪れる。4人の男性達は彼女に魅せられて生き生きと踊り出し、各々の個性をアピールする。その内、酔っぱらった4人の男性達は喧嘩を始めてしまい、女性客はたまらず店内を飛び出してしまう。4人は我に返り、それぞれ物思いにふける。黒い衣装を纏い、先ほどとは異なる雰囲気で女性客が再び登場し…

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このストーリーの部分、決して悪くなかったのですが、"ROCKBALLET"というタイトルで私が想像していたものとはちょっと違ったかなぁ。勝手に、"Bicycle Race"以降のようなダンス公演的なものを想像してしまっていたので…

中盤はやや中だるみ感があったような気がしましたし、公演パンフレットが有料配布の割に、ストーリー展開が分かりにくかったと感じました。

逆に、"Bicycle Race"以降の展開がとっても良かったです。

 

 

踊りはクラシックがベースで、もう皆さん本当に素晴らしかったです。

 

特に良かったのは米沢さんが踊った女性客役でした。きっと、ダンサーに合わせたキャラ設定をしているのだとは思うのですが、本当に彼女にピッタリ。カラフルスカートの衣装とセミロングのウェーブヘアという格好が凄く似合っていて、この格好の米沢さんを見られたのが個人的にはとっても幸せでした。踊りも、一つ一つのポーズが非常に美しくて、一瞬なのにとてもクリアに見えて、鳥肌ものでした。

 

秋元さんの踊りも迫力があって、素晴らしかったです。何度見ても思うのですが上半身や背中の動きが非常に美しく…特に、曲は"The Show Must Go On"と"Teo Toriatte"の部分だったと思うのですが、椅子を使ったソロ部分は、とても普段あの美しいクラシックを踊っている方とは思えないくらい、クラシックでない振り付けをうまく踊っていましたし、米沢さんとのパ・ド・ドゥ部分もリフトも多用されていて、難易度の非常に高い振り付けだったと思うのですが、素晴らしかったです。東バと新国立のプリンシパル夢のパ・ド・ドゥでした。

同じく東バの池本さんもとてもよかったです。ソロが多くて踊りっぱなしの役どころ。力強くて、スカッとする踊りでした。

 

あと、井澤さんはもうなんといっても"It's A Beautiful Day"のスモークの中踊るシーンが、こんなにスモークが似合うダンサーいる?ってくらい似合っていました。クラシックより生き生きと踊っているように見えました。思い切りが良いというか、何にも縛られずに踊っているような気が。もっとこういう踊りも見てみたいですね。

 

福田さんはバーのマスターポジションで登場しつつ、のっけからトイレ(設定)の舞台袖から出てきてフレディの決めポーズを見せたり、途中でシェイカーを高速で振ってみたり、"Bicycle Race"の曲に合わせてリアル自転車で登場したり…コミカルで客席から笑いをかっさらっていきました。

かと思えばキレキレのダンスを披露していたし、振り付けに演出にダンスに笑いに…本当に才能に溢れすぎでは。

特に音楽にのせて福田マスターが踊る中スタッフがバーの舞台装置を引き上げていくという、とってもオシャレな舞台転換が個人的にはとても良かったです。

 

QUEENの曲は有名なものを聞いたことがある、というくらいであまり詳しくないのですが、概ね知っている曲ばかりでしたし、楽しかったです。

要所の壺阪健登さんの生ピアノ、特に"We Wil Rock You"のピアノアレンジはとても素敵でした。

最後のカーテンコールは客席も"I was born to love you"に合わせて手拍子を送って、ダンサーたちはこちらに手を振ってくれたり…もうコロナじゃなければライブみたいにみんな盛り上がったんだろうなぁ…

 

こういう、カンパニーを超えたダンサー達の踊りをもっともっとたくさん見てみたいもんだなぁと思いました。

 

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