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ju-hachi

2021/8/8 ドラキュラ[NBAバレエ団] 感想

NBAバレエ団の「ドラキュラ」マチネを鑑賞してきました。

平野亮一・平田桃子ペアの会です。

2020年2月に「ホラーナイト」ダブルビルで1幕を見て以来、楽しみにしていた公演で、1年の延期を経てやっと鑑賞でき、とてもよかったです。

 

キャスト表

cast

 

 

 

「吸血鬼ドラキュラ」の著者、ブラム・ストーカー氏の出版100周年を記念し、1996年にミルウォーキーバレエ団の芸術監督、マイケル・ピンク氏が作品化したこちらの作品。

 

耽美でゾクゾクするようなゴシックホラーの世界観、とても素晴らしかったです。

特に見どころ満載の1幕と3幕は怒涛の展開に、こちらまで悲鳴を上げてしまいそうなくらいドキドキしっぱなしでした。

物語の内容はやや込み入っていますが、ドラキュラというモチーフはとっつきやすいですし、とってもエンターテイメントな作品で、普段バレエを見ない方にも刺さる作品なのでは。ミュージカルがお好きな方とか、宝塚がお好きな方とか。

そしてぜひ、NBAバレエ団さんにはこれをハロウィン時期に上演していただきたいです。

 

セットはマシュー・ボーン作品などのセットも手掛けているレズ・ブラザーストーン氏が手掛けておられるもので、幕開けから世界にどっぷり引き込まれてしまいました。

このセットの造形自体も良いのですが、階段などの縦方向への展開で動きがみられるようになっているのがとても素晴らしいところだと思いました。

ドラキュラの赤いロング丈の衣装、女性たちのドレスも非常に記憶に残る美しさです。

 

今回の主演のお2人の表現力には、ずっと圧倒されっぱなしでした。特に、ミーナ役の平田桃子さんの表現力は圧巻でした。ミーナが物語の中心となる3幕、平田さんの豊かな感情表現のお陰で非常にストーリーが分かりやすかったのでは。小柄な体のどこにこんなパワーが?と思う程エネルギッシュな踊りでした。

平野さんのドラキュラは、2020年に見た際も「異物」感はやや抑えめだった?ように感じましたが、赤い服で登場した時に観客の緊張感といったら。妖しく、不気味なのに高貴さを感じるドラキュラは非常にはまり役でした。不気味さの演出だと思うのですが、体を傾けたオフバランスな動きやポーズがどれも美しくて、相当な体幹なんだろうなぁ、と思いました。片足を前に出してお辞儀するシーンは、こんな不気味なのにかっこいいお辞儀ある?と何度も思いました。

「ホラーナイト」の時にも魅せられた1幕の男性同士のパ・ド・ドゥのエロティックさもよかったですが、3幕のドラキュラとミーナとのパ・ド・ドゥが、もうすごかった。ハイレベルでずっと目が釘付け。平田さんがリフトされた時の飛距離、というか滞空時間が半端じゃなくて、冗談じゃなく飛んだ?と思いました。平野さんと平田さん、並んで立つとすごい身長差なんですが、踊り出すと全く気にならない。お2人の技術の高さなんだろうなぁと思って、感動でした。

物語を支える、NBAバレエ団の群舞もとても良かったです。1幕の村人たちの群舞、3幕の血みどろのアンデッド達の群舞、圧巻でした。特に1幕の踊りの方は長丁場ですがエネルギーが途切れることなく、見ているあいだとても濃密な時間に感じました。永遠に見ていたかったくらい。

とても一体感があって、良い舞台だったと思いますし、主演が変わっても随分違う雰囲気に見えそうなので、また違うキャストでも見てみたいです。

 

cast

timetable

stage

カーテンコール、撮影可の時間帯があったので。

平野さんのドラキュラの赤コートを振り返り様にバサッとする翻す様がとてもかっこよくて、その度に客席が湧いていました。