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ju-hachi

2021/10/3 NHKバレエの饗宴 2021 in横浜 感想

NHKバレエの饗宴を見に行きました。

一番のお目当ては新国立の「パキータ」。

しかし、会場に来てみてびっくり、休憩を含めてですが、実に3時間半にも及ぶ公演で…

でも、とても面白くて全く時間を感じさせないくらいの内容で、実に満足でした。

 

timetable

 

新国立劇場バレエ団

パキータ

木村優里 井澤駿

パ・ド・トロワ:池田理紗子 奥田花純 中島瑞生

ヴァリエーション:原田舞子 中島春菜 飯野萌子 五月女遥

 

こちらのチケットをとった一番のお目当てだった新国立の「パキータ」、まさかの初っ端の演目でした。

パンフレットにパ・ド・トロワは柴山さんケガのため奥田さんへのキャスト変更の用紙が挟まっておりました。

柴山さんはシーズン開幕の白鳥もキャストされているから、ちょっと心配です…。大事ないといいのですが…。

 

casts

 

2021年のニューイヤーバレエでこの木村&井澤ペアで踊る予定の演目でしたが、無観客公演のためこのペアでの公演は無くなってしまったものだったと思います。

とにかく御出演されているダンサー達みーんな美男美女でびっくりしました。

ダンサーたちが登場するたび、舞台がぱぁっと明るくなるような感じがしました。

踊りも良かったです。井澤さんはソロパートが、ずっと柔らかい着地でポーズもびしっと決まっていて絶好調でした。木村さんもソロの足捌きが丁寧で繊細で、フェッテもトリプルとダブルを笑顔で軽々と回っていてため息。

パ・ド・トロワは、中島さんの表情が硬くて…もうちょっとリラックスして踊ると良かったと思ってしまいました…。池田さんはステップの軽やかさはさすがだなぁと思いつつも、上半身というか体幹というかが安定したらもっと良くなるのになぁと思ったり。奥田さんはちょっとちまっとした踊りに見えました。

ソリストのヴァリアシオンの中では五月女さんが一番良かったです。初っ端がグラン・パ・ディシャで始まり回転の大技ばかりのヴァリアシオンですが、溌剌として見ていてスカッとする踊りでした。小柄な方なのに舞台上ですごく大きく見えました。会場からも誰よりも大きな拍手が。後は、最近個人的に注目している飯野さんのポー・ド・ブラが優雅で良かったです。

アントレやアレグロのコールドも良かったです。これまでの新国立にしてはコール・ドが完全に揃うような感じが最近減った気がします。従来のような上半身が固まった感じが少なくなっていいな、と思います。

 

■牧阿佐美バレヱ団

アルルの女

フレデリ:水井駿介

ヴィヴェット:青山季可

 

ローラン・プティ振付の作品。

初見だったのですが、この公演で一番見れて良かったな、と思いました。

振り付けが印象的でした。主役2人以外の群舞が、時に群衆に、時に主役2人の心象風景の表現のために、と役割が変わるのも面白かったですし、初っ端の男女が一列になって手を繋いでのポーズは特に印象的でした。

フレデリの水井さんの熱演がすごく良かったです。要所要所の表情がとても印象的で、ラスト、比較的明るい調の曲にのせて、ここまで激しい狂気が表現できるのか、と身震いしてしまいました。

もう一回ぜひ見たい演目でした。

 

■東京シティ・バレエ団

Air

ウヴェ・ショルツ振付の作品。これも面白い作品でした。

手を上にあげていたり、アン・オーにしているパが多いのが華やかに見えるな、と思いました。

ダンサーたちはずっと全開!という感じで動いていなければならないので、とってもきつい演目なのではないか…と思うのですが、全く疲労を感じさせず、ペアでもソロでも一つ一つの動きにずっと連続性があり、流れるように音楽をそのまま表現しているようで良かったです。

あと、女性のダンサーの皆さん、みんなアチチュードのポーズが凄く美しくて見惚れました。

 

谷桃子バレエ団

『ジゼル』第2幕

ジゼル:馳麻弥

アルブレヒト:今井智也

ヒラリオン:三木雄馬

ウィルフリード:土井翔也

ミルタ:山口緋奈子

 

群舞は比較的良かったのですが、全体的に踊りとしては個人的にはイマイチだったな、という感想です。ジゼルの馳さんはジャンプ力があって身体能力が高い方なのかしら?と思いました。

谷桃子演出版ということで、少しづつ物語がわかりやすいような演出がしてあるなぁという部分に注目できたのが良かったです。

最初の人魂は青色。全体的にヒラリオンの出番がやや多めでしょうか。ウィリ達に踊らされているシーンは、床を転がって自分で元の位置に戻るようなシーンもあったのが面白かったです。演じられた三木さん、迫真の演技で表情が良かったです。

ミルタがキラキラのティアラをしているのがおもしろいな、と思いました。ミルタやウィリ達はあまり怖さを感じる演出ではありませんでした。

あとは、ジゼルが舞台の上の方から花を落とすような演出もあったと思います。アルブレヒトはアントルシャ・シスを連続でするタイプ。ラストはジゼルが一輪の花を落として去っていき、その花を持ったアルブレヒトがマントを引きずって立ち去るシーンの中、幕。

 

ラスト、カーテンコールは、普段であれば参加したバレエ団全員のカーテンコールが見れたのでしょうけど、密を避けるためか各バレエ団の練習姿の映像でした。

衣装でもなく、急ごしらえ感が何となくあり、ちょっとそれは残念…

しかし、概ね充実した演目が見られて、終演後、心地の良い疲労感を味わえました。