今年も新国立劇場バレエ団のDANCE to the Futureを観てきました。
(あまりにも忙しすぎて、感想がまとめられないままこんな時期に…。)
当日の走り書きから簡単なメモを残します…。
ラストのナット・キング・コール組曲がツボな公演でした。
第１・２部 新国立劇場バレエ団 Choreographic Group 作品より
『Coppélia Spiritoso』
【振付】木村優里
【音楽】レオ・ドリーブ 他
Ｗ木村優*ペアという夢のような組み合わせ。
冒頭、椅子に座って本を読む木村優里さん、白い下着?ネグリジェ?のような衣装に黒チョーカーがかわいい。テーブルの下から、もう一人木村優子さんが現われる。白い衣装に、ペチコートの骨組み?みたいなものを纏っている。カクカクと人形的な動きのデュエット。ラストは砂時計が置かれていて、冒頭の木村優里さんと入れ替わったようなポーズで木村優子さんが座っていて…
若干ホラーチック?、面白い作品でした。木村優子さん、ダイナミックな踊りで良かったです。個人的にはもう少し雰囲気や体型がそっくりな2人が踊った方が良かったと思いました。
暗転の後もうワンシーンがあるのだが一度目の暗転で拍手が起こってしまって…
『人魚姫』
【振付】木下嘉人
【音楽】マイケル・ジアッチーノ
【出演】米沢 唯 渡邊峻郁
米沢さんがプリーツのたくさん入った長い裾、青いグラデーションの衣装で舞台中央に。椅子に座った渡邊さん。人間になりたてだから?か歩くのにもつれて倒れ込む人魚姫を渡邊さんが支えるシーン。人魚姫は声が出ない。そのまま2人パ・ド・ドゥ。
人魚姫の衣装がステキ。前半は物語が分かりやすかったが、後半の振り付けは好みでなかった。もう少し渡邊さんが踊るシーンがあっても良かったのではと思うけど、あくまで人魚姫がメインだからかしら。
『コロンバイン』「DANCE to the Future 2020」未公開作品
【振付】髙橋一輝
【音楽】ソルケット・セグルビョルンソン
【出演】池田理沙子 渡辺与布 玉井るい 趙 載範 佐野和輝 髙橋一輝
3組の男女、黄・青・赤の短め丈のスカートとシャツ・ジーパンのペア衣装をまとい、それぞれ男性をけったり、こっち見なさいよ、みたいな振りをいれてコミカルだったり逆にしっとりした様子だったりのデュオを踊っていく。なんとなく旧ソ連的な雰囲気の作品。
衣装の模様?が遠目から見ても素敵でした。やや古臭い感じの振り付けだったかもしれないけれど、個人的にはかなり好みの作品でした。音ハメが心地よかったです。途中、上半身を固定して足で踊るパートがアイリッシュダンス的な趣を感じました。
黄色衣装の女性の上半身の動きがとても美しいわ、と思っていたら、多分渡辺さんのようでした。
『≠（ノットイコール）』
【振付】柴山紗帆 益田裕子 赤井綾乃 横山柊子
【音楽】渡部義紀
【出演】益田裕子 赤井綾乃 横山柊子 柴山紗帆
「かごめかごめ」の歌が冒頭に流れ、白と黒の衣装を纏った2ペアがそれぞれユニゾンだったり、それぞれバラバラの動きで踊ったり。多分、ミニマルミュージックが流れていたと思う。
今回の作品群の中では1番かもしれません。かなり面白い作品だったと思います。もう一度見たい。
これも暗転の後もう1シーンあったのですが、暗転ですぐに拍手が起こってしまいました…
『神秘的な障壁』「DANCE to the Future 2020」未公開作品
【振付】貝川鐵夫
【音楽】フランソワ・クープラン
【出演】米沢 唯
薄い羽衣チックな白い衣装を纏ったダンサーのソロ。正直イマイチでした。振り付けにメリハリがあまりなかったような?ソロ作品は難しいなぁという感想です。
『Passacaglia』
【振付】木下嘉人
【音楽】ハインリヒ・ビーバー
【出演】小野絢子 福岡雄大 五月女遥 木下嘉人
こちらも、今回の公演では1，2を争うくらい振付が面白かったと思いますが、小野さんと五月女さんというダンサー2人の素晴らしい表現が、よりこの作品を魅力的に見せていたと思います。また、やはり作者の木下さんの、自然で流れるような動きが見事でした。これももう一度見てみたい作品。
第３部 ナット・キング・コール組曲（DANCE to the Future 2011にて初演）
【振付】上島雪夫
【音楽・歌】ナット・キング・コール ほか
【照明】杉浦弘行
【衣裳】有村 淳
【出演】
本島美和 寺田亜沙子 奥田花純 細田千晶 益田裕子 今村美由起
貝川鐵夫 福田圭吾 小野寺 雄 福田紘也 中島瑞生 渡部義紀
赤井綾乃 朝枝尚子 徳永比奈子 廣田奈々
それぞれの曲に合わせてダンサーたちがラフな格好で目くるめくダンスを繰り広げるという、ファン垂涎の作品。ラストは全員がシックな黒い衣装に早着替えし、挨拶、ダンスパーティー会場のようになって踊りながら去っていく…という、とても楽しく、さながらミュージカルとか宝塚とかを見に行ったような気持ちになりました。
クラシックではないけれどきちんとバレエの言語で作られていると感じられる、絶妙な振り付けでとてもよかったです。
もう本当に皆さん美男美女過ぎて終始鼻血が出そうでした。ワンレンの本島さんとか、ぱっつん前髪の寺田さんとか、ベレー帽で網タイツの細田さんとか、セクシーで美しすぎて客席でどうにかなりそうでした。貝川さんと本島さんのペアの踊りシーンはスタイルがお二人とも良すぎて…
また、福田圭吾さんの全身の動きは常に目を惹かれました。音楽に乗っていて、オフバランスの動きが光る。こういう踊りで右に出るものはいないんじゃないかと思いました。
しかし、この演目の一番の見どころは中島瑞生さんだったでしょう。ハットをかぶって中央で踊る中島瑞生さん、スタイルの良さが際立っていてとんでもない存在感で…かっこよすぎでした。これからいろいろな演目でこの方の踊りを見ることを非常に楽しみにしています。
