こちらも時間が経ってしまいましたが、東京バレエ団初演、ジョン・クランコ版ロミオとジュリエットの簡単な感想メモです。
色々と公演が被っていたけれど、劇場は大入り満員状態で、入口には「大入」の掲示も。バレエホリデイの企画でバレエショップの出店もあり、ホワイエはとてもにぎにぎしかったです。
キャスト
<<クランコ版ロミオとジュリエットメモ>>
1幕
・モンタギュー家とキャピュレット家は赤と青の衣装で色分け。
・1幕の広場のシーン、モンタギュー家とキャピュレット家のいざこざのシーンは女性同士もやり合うシーンが、頭首も大剣でやり合う、物も投げ合う…
・大公は椅子に座った状態で担がれて登場。
・ジュリエット登場シーンは椅子などの小道具無し。ジュリエットはパーティーに用意された洋服を持って踊る。
・ロミオ、マキューシオ、ベンヴォ―リオ、トリオの踊り。(この場面だけではなかったが)正面向きで、床を使った振り付けが印象的に見えた。
・キャピュレット家のテーマ、ダンサーらの足踏みをする音をわざと入れている所が印象的。
・ジュリエットとパリスのパ・ド・ドゥ、最初、ロミオはロザラインと会話しておりジュリエットの方を見ない。曲の終わりの方にはジュリエットに夢中で視線を外せない…その後のパリスとジュリエットの踊りもちぐはぐになっていくのが分かりやすい。
・ロミオ達に対して手袋を床に投げつけるティボルト。(決闘の宣言?)
・バルコニーパ・ド・ドゥはクランコ版ロミジュリと言えば、のバルコニー懸垂シーン。
・パーティーシーンはジュリエットの友人の踊りは無かった(と思う)
2幕
・街の広場?のにぎにぎしい群舞が見ていて楽しい。床を使った、叩いて音をさせる所も面白い。(踊るのはとても大変そう…)
・カーニバルのダンサーたちの踊りは、ピエロのような格好で、メインの1人は、こりゃあすっごく足が長くないとアカンな…という振り付け。
・マキューシオの死からティボルトの死の時に2階に上がった人が呼びに戻って、担がれたキャピュレット夫人登場。狂乱のシーンは踊る感じではなく髪をほどいて服も少し脱ぐような感じ(ジゼル的な狂乱?)。剣を持って刺そうとするシーンもあり、その後ティボルトの死体とともに担がれて退場。
3幕
・ベッドの上でジュリエットの髪をねじねじするロミオ、朝の気配にカーテンを開け、出立の準備をするが、ジュリエットはカーテンを閉め…パ・ド・ドゥの後は、ロミオはジュリエットの目を隠し、カーテンを開けて去る。
・ジュリエットには母親からの拒絶が一番効いているような表現。パリスと踊るシーンは無し。
・ジュリエットは薬を飲んだ後ベット上で仰向けに。毛布は自分でかける。ビンは投げて置いたまま。
・ベットに倒れたままのジュリエットを起こしにジュリエットの友人たちが登場し、踊る。百合の花を集めるキャピュレット夫人。乳母がジュリエットが死んでいることに気づく。
・ジュリエットの棺が2階部分から墓所に降ろされるシーンがとても印象的。
・ラストはジュリエットがロミオを抱いて死ぬ。(頭首の和解シーンなどは無し。)
ジュリエットの秋山さんは、プリンシパルになられて最初の公演だったでしょうか?以前よりもより、細さに磨きがかかっていたようだったのがやや気がかりですが…可憐で初々しくも、とても生き生きとしたジュリエットで素晴らしかったです。
秋山さんも、ロミオの池本さんも踊りは言わずもがな素晴らしく、バルコニーのパ・ド・ドゥももちろんですが、個人的には特に別れの朝のパ・ド・ドゥが特に良くて、見ていて切なくなりました。ただ、欲を言えばもう少し2人の間に燃え上がるような勢いというか、衝動のようなものが見えて欲しかったなぁ…と言う気が。ちょっともの足りませんでした。
他にはマキューシオ、ベンヴォ―リオを演じた生方さんと玉川さんの踊りが印象的でした。1幕のパーティーシーン前のロミオとも交えたトリオの踊りは特に秀逸で、思わず歓声をあげたくなりました。ただマキューシオの役作りはちょっと王道から外れていたかも?しれません。
しかし、楽しみにしていた公演でしたが、期待にたがわずとても良い公演でした…!
オネーギンの上演を目指してのもの、ということを聞いていましたが、非常に期待が高まりました。ぜひ、早く実現していただきたいです。