18

18

ju-hachi

2022/6/3・6/11 不思議の国のアリス[新国立劇場バレエ団] 感想

コロナ流行で中止になってから早2年でしょうか、やっと新国立のアリスをもう一度みることができました。

 

何回も観る演目だろうか…と以前の鑑賞でも思ったのですが、やっぱり楽しい演目だし、今回もなんだかんだ3回も鑑賞してしまいました。

海外バレエ団のダンサーをゲストに迎えての開催かつ、ゲストの1人としてこの演目の初演キャスト、スティーヴン・マックレーが登場!と、本当に嬉しい公演だったのですが…まさかまさか、本島さんの退団公演になってしまうとは…こんなに突然、チケットもほぼ無くなったような前日にあたりに退団発表だなんて…

絶対に退団公演を開催すべきだと思うのですが…なんだか難しいのでしょうか?

本当に悲しくて寂しかった…

 

本島さんのパネルなどいろいろ。

theatre

theatre

theatre

 

 

 

 

公演全体のメモ

・いままであまり気にしていなかったけど、ずっと開いた本の上にいるような舞台装置

・プロローグ、スローモーションになった所でぐるんぐるん回るカメラの布がツボ。スローな動きの中で長机のパーティー参加者たちもいろいろやっていて目が足りない

・最初に穴から出てきた時、ウサギの耳はちょっと茶色っぽい感じだった

・穴に落ちた後のアリスが楽しそうな庭の様子を見る所は2階席舞台一番近くにダンサーが登場(本来は1階客席通路にダンサーが来ると思う)。天井からキラキラと粉吹雪も。

・料理女のシーンの鍋の蓋持っての合戦がいつ見てもカオス。ここの、打楽器たくさんの曲がとても好き。アリス公演の、大半の曲は入っているCDは売ってるようだったけど、ぜひ全曲入ったサウンドトラック発売してほしい。

・SWEET HOMEの前でアリスとジャックのパ・ド・ドゥが踊られている間、タルトを持たされている白うさぎが、演じるダンサー各々色んなことをやっていて目が足りない。タルトを持たされて左右を気にしてソワソワしたり、かと思えばタルトおいしそう…とツンツンしてみたり、ちょっと舐めちゃおうかなぁ、みたいな感じの振りとか…

・庭の花のシーンとカードのシーンはソリストがこれでもかと登場していて本当に贅沢

・ジャックの裁判の時、王が椅子の下から新聞出して読みだしたり、女王は芋虫が出てくるとメロメロ風になったりと、ここも目が足りない。脇で裁判を椅子に座って眺めている人々すらダンサーだしこまかーく演技しているから本当に目が足りない。

 

6/3 初日、19:00開演公演の感想メモ

cast

この日は渡邊峻郁さんが素晴らしかった~!以前の公演を見た時も良かったですが、更に更に演技が凄く良くなっていて、客席にもわかりやすいくらい感情が豊かに見えつつ、でも自然な演技で、本当に良かったです。米沢さんとのパ・ド・ドゥもとても良くて、初めて米沢さんと相性がいいのは渡邊峻郁さんなのかも?と思ったりしました。なんでしょう、ちょっと戸惑うくらいの急成長ぶりで本当に良い意味でびっくりでした。

後は、木下さんの白うさぎの、動くたびに変化しているような気がする1つ1つの表情、コミカル、かつとってもウサギっぽいなぁと思ってしまうような頭のプルプルした動きだったり、こまかーい手の仕草だったりの役作りはため息ものでした。

この日のマッドハッタ―は海外バレエ団からのゲスト、ジャレッドさん。ちょっとクールな感じ?のマッドハッターという印象。タップの音が細かく、多彩だったのがすばらしかったです。あと、プロローグの手品師の時には、カメラのフラッシュ後にパーティーのお客たちの動きがスローモーションになるところで、多分トランプで手品をやってくれていた気がします。

ハートの女王の益田さんは、新国初演の時のファーストキャストですが、相変わらずあの可愛らしくて上品そうな見た目の方から想像ができない程のすごい変貌ぶりでした。

この日の料理女は渡辺さんでした、彼女もとんでもない変貌っぷりと暴れっぷりで、線が細い方なのでどうかなぁと思っていたのですが、予想外に良かったです。

タルトアダージョの時のカード4人は、さすがにプリンシパルばっかり、と言ったことは今回は無かったと思います。

速水さんのイモ虫はかなり楽しみにしており、回転のキレや上半身の動きも申し分なかったですが、結構ソツない感じで、もうちょっと色気が欲しかったと思いました。

この日の花に飯野さんと柴山さんと寺田さんがいたことは確認しました。豪華。

 

2022/6/11 13:00開演公演の感想メモ

cast

突然の本島さん退団公演となってしまったマチネ…本島さん登場から拍手が鳴り、私はそれでもう泣きそうになってしまいました。この公演は目に少しでも焼き付けておきたくて、登場しているシーンはほとんどずっと本島さんを観ていた感じでした。どこのシーンでも凛と美しく、上品な踊りで、でも、コミカルなシーンは豊かな表情と演技で魅せてくれるという、素晴らしいバランス力のハートの女王でした…。ハートの女王見せ場のタルトアダージョでは、4人の相手役カードの中に渡邊峻郁さんが(多分2のカードだったかなと)。カーテンコールで、カーテン前に登場した本島さんはうるうるされていて、こちらも半泣きになってしまいました…そして、新国立のTwitterでも映像が出ていましたが、カーテン前の本島さんにカード4人たちがブルブルしながら花束を持って登場し、すったもんだの末に渡邊峻郁さんが花束を渡してだーっといなくなったから、ハートの女王がカード達め!みたいな感じで首切りポーズする、という、最高なシーンをみせていただきました。しかも渡していた花束が、真っ赤な薔薇の中に白い薔薇が一本混じっているという、なんとも粋な計らいで…いやもう本当はこれ全新国立劇場ファンがこぞって生で見たかったのではないでしょうか??本当にもっともっと早く退団されることを発表してほしかったし、ちゃんとした退団公演(以下略)

寂しいけれど、本島さんの更なるご活躍をお祈りします…!!

このマチネ公演は池田さんの初アリスもとても良かったです~。ずっと踊りっぱなしのアリスの踊りを涼しい顔でなんなくこなしていましたし、何より表情が生き生きとしていて、演技がとても良かったです。本当に、かつてとは比べ物になりませんね。プロローグの涙をぬぐうシーンとか、花の群舞前の、庭に行けるように…!みたいな演技の所も表情がとってもよかったなぁと思いました。

料理女の木村優子さんは個人的にこの役のイメージピッタリで大暴れ、ダイナミックな踊りでとっても良かったです。この日は鍋の蓋が手からすっぱぬけてしまって落としていたのですが、すかさず拾って戦闘を続けていました。

白ウサギの速水さんはもちろん素晴らしい跳躍力で踊りは申し分なかったのですが、でも…イモ虫と一緒でもっと演技に色気が欲しいなぁ、と思ってしまいました。

この日の花のソリスト細田さん、木村さん、柴山さんがいらっしゃたかなと思います。

 

2022/6/11 18:30開演 

cast

ソワレ公演はスティーブン・マックレーのパワーのすごさに圧倒されて、もう本当にスティーブン・マックレーやばい…と語彙力を失った感想しかありません。彼の出演が発表されてからチケットは瞬殺だったらしいと聞きました。たまたま、もとから押えているチケットだったので無事に鑑賞出来て本当に良かったです。

マックレー氏、まずはプロローグの手品師でお茶会でやりたい放題で、スローモーションになったと思ったらお茶をお客にぶちまけ、ケーキの載った2段重ねの皿を渡す時にも乗ってるケーキをぶちまけ、執事の首をナフキンか何かで絞め…と、イカれた茶会をもう繰り広げていました。そしてマッドハッターのシーンはいやぁ、もう言葉になりませんでした。マッドハッターは本当に"マッド"だったんだなぁと。他のダンサーと比べて、マックレー氏のマッドハッターから感じる狂気は段違いでした。目が逝っちゃってる感じとか、話全く聞かずにマシンガントークだなって感じとか、どうしてかわからないけど伝わってきて、何よりもそれが凄かったと思いました。タップも、タップの入る部分はオケの音が小さめになって、タップの音を際立つようにしていると思うのですが、それでも他のダンサーの時はタップの音が小さいな、と思う時があったのですが、マックレー氏のタップはほとんどそんなことを感じさせませんでした。リズミカルでオケの音からもずれないのに細かいステップでもクリアな音がしていて、まさに体全体が音楽とでもいうような感じ。本当に素晴らしかったです。初演ファーストキャスト、しかもきっと彼がいるからとこのような振りになったと思われる役を本人が踊るところを見られるなんて本当に幸せでした…。

他にも、マッドハッターは裁判のシーンで最初はつまらなさそうに髪の毛いじいじしていた後、アリスとジャックのパ・ド・ドゥの所ではなんかいいなぁーみたいな表情で2人を見つめていて、最後は三月ウサギ(かな?)と一緒に手でハートを作ってあげていたり、舞台上に落ちてしまったフラミンゴの羽を、「これいいでしょ!」みたいな感じで役どころっぽくさりげなーく拾ってくれている所とか、カーテンコールでずーっと拍手してくれていた所とか…いや本当に、出演してくださってありがとうございました。

小野さんのアリスは、さすがの演技力で、スカートをパシッとはたいて起こる仕草とか、うまいなぁと思いましたし、軽快で細やかなステップの踊りが素晴らしかったです。福岡さんとのパートナリングが良く、ラストにかけてアリスの成長が感じられるような感じでした。

白ウサギは注目の中島さんでしたが、踊りが良いなぁとは思っていたのですが、いやぁ、こんなに演技が上手な方だとは思っていませんでした。ちょっとすっとぼけた感じの演技がピッタリでまた違った味のウサギの演技でとても良かったです。タルトを持たされて立っているシーンの、見つからないかソワソワしてる素振りとか、タルトに手を出しちゃう素振りとか、裁判のシーンでタイプライター打ちながら眼鏡の蔓をくいっとしたりとか、細かい演技も上手でびっくり。本当にこれから楽しみです。

あとは木村優里さんのハートの女王が…あまりのはっちゃけすぎに、「次の公演までにお姫様とかに戻れる???大丈夫????」ってなりました。母役はさすがにお姉さんくらいにしか見えないなぁと思っていたのですが、ハートの女王の顔芸はすごかったですね。あんなに彼女の顔がうるさいと思うとは思いませんでした。彼女の熱演のおかげか?3公演見た中でハートの女王のタルトアダージョやソロのヴァリエーションの場面などは一番笑いが大きかった気がしました。

あとは、個人的には魚と蛙の踊りがとても好きなのですが、この日の魚が木下さんで、表情までかわいくてよかったです。

この回は大きめのハプニングもあり…タルトアダージョでトランプ3人が円になって女王を持ち上げて回るところでバランスを崩してバラバラになってしまっていたり、ジャックとのパ・ド・ドゥでアリスが転んでしまったり…ケガがなさそうで良かったですが、これだけハードな内容で公演が続くと大変だし、踊り自体もかなりギリギリの所で踊ってるんだろうな、と思いました。

 

 

その他、今回の劇場は全体的ににぎにぎしていてとても楽しかったです。

 

人気だったジャムタルト。

tart

めちゃくちゃおいしかった~!

こんなおいしいタルトだったらみんな盗むわねぇと思いながら食べました。

 

timetable

timetable

 

トランプの描かれた床。

thatre

theatre