NBAバレエ団のラ・フィユ・マル・ガルデとブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番ダブルビルを観てきました。
NBAバレエ団は毎回ゲストの選出が素晴らしいですが、今回もまんまとゲストの二山さんが見たくてチケットを取ったのでした。
当日、やけにキャストチェンジが多いな?と思っていたら、7月6日付けでNBAバレエ団サイトに関係者のコロナ感染についてのお知らせが出ておりました…キャストを変更して公演を続行することにしたとのことで、関係者のみなさまはご苦労なさったことでしょう…大変お疲れさまでした…。
(この件でNBAバレエ団サイトを見ていたら、7月4日付のニュースで矢内千夏さんが退団されたとのニュースも発見…結局踊りを拝見することができず残念でした…どうぞお元気でお過ごしくださいませ…)
ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番
NBAバレエ団のサイトの解説によると、”38歳の若さでこの世を去った元ABTプリンシパルのクラーク・ティペットにより振り付けられた作品”とのこと。初見の作品でした。
アクア、レッド、ブルー、ピンクの衣装を身にまとった男女のダンサーと、コールドで構成された作品。バランシンの作品が意識されているのでしょう。振り付け自体はなかなか面白かったと思ったのですが、音楽との調和がそこまで感じられず、やっぱりその点バランシンはすごいなぁと。
この演目ではブルーの竹内碧さんと宮内浩之さんのパ・ド・ドゥの部分が特に良かったです。他の方たちは、個々の踊りはそれぞれよかったのですが、パ・ド・ドゥになるとパートナリングに難ありなところが目につきました。キャストチェンジが多かったからでしょうか…。
ラ・フィユ・マル・ガルデ
NBAバレエ団のサイトの解説によると、こちらは"1940年にバレエシアター(現ABT)のためにニジンスカが手がけたバージョン"とのこと。こちら初見の作品でした。
とてもコミカルでハッピーエンド、見ていて元気になるような、自然と笑顔になってしまうような作品でした。
舞台セットや衣装が明るい色合いで、特に衣装は勝手にディズニーのトイストーリーっぽい感じだなーと思っていました。カラフルで可愛らしかったです。本筋と関係ありませんが、1幕終わりの嵐のシーンは、大雨と雷で村人みんなが結構な大騒ぎを繰り広げるのが、なんだか新鮮で面白かったです。あとは、全く知らなかったですが2幕ではタンバリンも登場して、お尻でタンバリンを叩いたりするシーンもあったりしたのが印象的でした。
こちらの演目は、チケットを取った目的でもある二山さんがなんといっても全幕で見られて幸せでした…!彼の股関節は本当に一体どうなっているのか、跳躍の時の前の足の上がり具合、空中でのポーズの美しさはため息が出てしまいます…特にコーラスのソロは永遠に眺めていたかったです。演技も自然でよかったですし、彼の全幕ものをもっと見る機会があるといいのですが…
リーズの勅使河原さんも踊りもとても良かったですが、表情がくるくる変わるのが可愛らしく、全身で感情を表現する様子がよかったです。本当にリーズぴったりでした。コンクールなどでよく見るリーズのヴァリエーションも軽々と踊っていました。
シモーヌ役の古道さんは、なんとなく見た目クールそうな感じなのにはっちゃけた演技でとても上手でした。2幕でホウキを槍投げのごとく舞台袖にぶん投げた所はすごく笑ってしまいました。
ある意味自分の世界があるというか、すっとぼけたひょうきんなアラン役はずっと幸せそうな感じだったのが良かったです。考多さんはカーテンコールでもずっとアランのままでした。
あとは、コーラスの友人でやたらスタイルが良くて背が高くて目立つ人がいるなぁと思っていたのですが、この前のロミジュリ公演でパリスをやっていて気になっていた本岡さんだった気がします。今回は、前回公演より表情が割と自然に見えましたので、順調に成長していただきたいな、と思いました。
なかなか充実したダブルビルでした。
反省点として、中劇場の1階端席は舞台端側に完全に見えないエリアができてストーリーが追えなくなる部分があって最悪だったので、次回から気を付けたいなと思いました…。