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ju-hachi

2022/7/31 横浜バレエフェスティバル2022 感想

例年見に行っている横浜バレエフェスティバルを今年も鑑賞してきました。

公演中止が相次ぐ中、無事に開催されて何よりです。

 

今年は入場時にパンフレットとともにステッカーが配布されました。

sticker

 

キャストとプログラム

cast

 

今年も横浜バレエフェスティバルと言えば…のオープニングから始まりました。

毎年言っている気がするけれどこのオープニングの演出がかなり好き。

オープニング中に、柳本さんと酒井さんと思われる方が背中合わせで立っているシーンが入っていたと思うのですが、今年もネタ演目楽しみだな…と思って一人で笑ってしまいました。

 

第1部

「スーブニール・ドゥ・チャイコフスキー」 振付:遠藤康行/2018年初演
オープニングから続けて上演されました。若いダンサーの踊りパートなので、若い子達ががんばってるなぁ~っていう感じの気もちで鑑賞しました。体幹の弱さを感じるようなダンサーが多かったように思うのですが、バリバリ動きまくりの振り付けなのでプロが踊ったらどんな作品になるのかなぁと想像する感じでした。

 

「パキータ」より エトワールのヴァリエーション
吉川さん、めっちゃくちゃスタイルが良かったです。全部のポーズが見栄えするので、パとパの繋ぎの動きが良くなると、もっと良くなる気がしました。

 

「ラ・バヤデール」より ガムザッティのヴァリエーション
謎のタメがある踊りに感じたのが個人的に好みではなかったです。回転の時にも頭がついていっちゃてるような感じがしました。

 

ドン・キホーテ」第3幕より キトリのヴァリエーション

ポーズ一つ一つが美しかったと思いました。最後のレヴェランスの時の膝ドスンが惜しかったなぁ。

 

「月の光」 作曲:ドビュッシー 振付:遠藤康
ドビュッシーのこの曲とこのタイトルから想像だにしなかった激しい振り付けでした。個人的に途中のダンサーの影を舞台奥の壁に移るようにする演出があまり効果的でなかったように感じました。

 

「グラン・パ・クラシック」より グラン・パ・ド・ドゥ
舞台上から弾けだしそうな若さを感じた井関さんと松浦さんのパ・ド・ドゥ。松浦さんのソロは、最近見た色々なグランパの中でもかなり良い踊りだったと思います。ソロは大変良いので、パ・ド・ドゥのサポートがもっと上手になったらもっといいと思います。太ももがかなり太くなっていらっしゃたのが少し気になりました。

井関さんはこういう技巧的な踊りがとても似合う方です。年々洗練さが増していっている感じなのがとても良いですね。

どうでもいいけど松浦さんは毎年観る度に髪型が変わっていらっしゃいますね…(今年は金髪でいらっしゃいました)

 

 

第2部

白鳥の湖」第1幕より ヴァリエーション

また難しそうなヴァリエーションを踊られたな、と思いました…。アレクサンドル・カニャさん、見た目が王子~って感じで悪くはなかったのですが、初っ端でグラグラっとしてしまったのが見えてしまってやや観る気が失せてしまいました…。しかし、あまり観ない振り付けだったのですが、何の版からの抜粋なんでしょうか。そこはプログラムに書いてほしかったです。

 

くるみ割り人形」第2幕より 金平糖の精のヴァリエーション
クララ・ムーセーニュさん、お母様が?日本人の方だそうですね。多分、ヌレエフ版のくるみの金平糖の精の踊りなんだろうなと思ったのですが(なんの版からの抜粋なのかかいて以下略)、パリオペぽいなーって感じのアンレールがとても美しかったです。

 

「+81『G-shock』~白鳥のグラン・パに乗せて~」

横浜バレエフェスティバル毎度おなじみのコントパート。毎年大変楽しみなのですが、今年はかなりの傑作だったと思いました。白鳥の湖の王子が21世紀に舞い降りたらどうなるか、という作品と言っていたと思うのですが、男性同性愛者だろうということかな?古典作品へのオマージュ的な振り付けをふんだんに盛り込んだ作品でした。以下はあまりに印象的過ぎて長文になりすぎたネタのメモ。

・柳本さん「私が出てきたということは休憩時間です」
・柳本さんが話す最終踊り続ける酒井さん。柳本さん「後ろで(王子が)頑張ってくれてますけど」

・酒井さんの王子が踊ると音程が狂うBGMが、アレクサンドル・カニャ氏が登場すると通常の音程に戻るネタ

・21世紀に黒鳥と王子のグラン・パ・ド・ドゥの曲にのせつつ、黒鳥(柳本さん)が王子(酒井さん)を拒否するところとか、アンファスで2人並ぶところとか、回転するところとかがもとの振り付けと同じ感じにしたオマージュが楽しい

・高瀬さんが赤ドレスで柳本さんの恋人役?として登場

・グリゴローヴィチ版?の黒鳥のVaの曲に合わせて、恋人役?の高瀬さんにぶっ叩かれた柳本さん床に転がっての悶絶の踊り…ラストには高瀬さんが再度登場して修羅場ラストで、もうこの曲聞いたらこれを思い出してしまうかもしれません。

 

「眠れる森の美女」第3幕より グラン・パ・ド・ドゥ
加瀬栞さんの踊りを観られるのが、この公演の鑑賞を決めたかなりのウェイトを占めていましたが、すごく良かったです…見られて本当に良かったです。

もう姫、姫でしかない。気品の塊でした。手先まで行き届いたポー・ド・ブラ、肩から先の腕に全く無駄な動きがなく、ソロVa最初、片足をクッペにしたポーズで微動だにしなくて…もう宙に浮いていらっしゃったんでしょうかね。ポアントワークが素晴らしすぎて悶絶しました。厚地さんももうただの王子でしたし、2人とも音ハメが気持ちよい踊りでした。

 

第3部

「First Blush」振付:ジョニー・マクミラン
アレクサンドル・カニャ氏が再登場。どう考えてもその衣装は後ろ前ではないか??と気になりすぎて、踊りにあまり集中できなかったのですが、白鳥の王子の踊りよりはとても良かったと思いました。

 

「眠れる森の美女」第2幕より 目覚めのパ・ド・ドゥ
厚地王子再び。1人で2人の眠れる森の美女をお相手される公演だったのですね。平田さんはとっても可憐な姫で、厚地さんにリフトされると軽さが際立つようでした。

 

「1001(ワンゼロゼロワン)」
"アニメ映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」からインスピレーションを受けて創った作品"らしいということをネットで知りました。イマイチぴんと来なくて印象が薄く…人間の肉体の動きを堪能したという感じでした。

 

エスメラルダ」より グラン・パ・ド・ドゥ

大トリは菅井さんと二山さんのパ・ド・ドゥでした。菅井さんのエスメが見れる日が来るとは…!菅井さんのソロはここまで音を自在にとるか!と言う感じ。相変わらず軽々と高難易度の踊りを踊られます…。更に配る目線まで魅力的というかパワーアップしていてもう無敵な感じさえしました。二山さんは相変わらず永遠に跳躍を眺めていたかったですし、なんだったら神々しさを感じる時さえありました。ただ、今年はリハが不足気味なのか、ちょと2人のパートナリングに不安があったような気がしました。

 

ラストも毎年お馴染みの曲でダンサー全員の踊りが見られて、楽しいお祭りでした。