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ju-hachi

2021/7/25 こどものためのバレエ劇場 2021竜宮 りゅうぐう~亀の姫と季の庭~ 感想

大分時間が経ってしまいましたが、昨年、関係者のコロナ感染により中止になって観れなくなってしまった「竜宮」を、やっと、やっと、リベンジで鑑賞できましたので、その記録です。

 

いやー、とてもよかったです!キラキラ美しく、万華鏡をのぞいたみたいに実に楽しい作品でした。

もちろんこどもさんも楽しめる作品だとは思いますが、とても完成度高く、しっかり2幕構成で大人の方でも見ごたえある作品なのではないかと思います。

というか、大人の方ぜひ見るべきだと思うので、ちょっと"こどものための"という銘打ちなのは残念だな、と思ってしまうほど…(いえ、大変お安くみられて私はとっても嬉しんですけど…)

 

キャストは主演だけ記録です。

大人としてはもっと詳細なキャスト情報が欲しかったのですがありませんでした…まぁこども向けですからね…

 

■2021年7月25日(日) 12:30

【プリンセス 亀の姫】木村優
【浦島太郎】渡邊峻郁

 

■2021年7月25日(日) 16:00

【プリンセス 亀の姫】柴山紗帆
【浦島太郎】速水渉悟

 

 

 

森山開次さん、振付どころか美術や衣装、演出も手掛けられたということでしたが、実に素晴らしかったです。

特に舞台装置や衣装、プロジェクションマッピング等を交えた舞台づくりがとても美しくて一つも飽きることがなかったです。日本の様々な舞台表現を多様に取り入れて、お伽噺の世界観が見事に作り上げられていました。

浦島太郎の影を鳥のように映す場面や、舞台上で額に朱を入れて鶴に、という場面も良かったですが、一番感動したのは浦島太郎が翁になる場面、ここ、一体どうするんだろうと思っていたのですが、能チックな舞台上での衣装替えには痺れました。暗転がなく、場面転換にほとんど時間を要さない作りもとても上手だなぁと思いました。

衣装は、金魚舞妓のひらひら優雅なものや、フグ接待魚などの可愛らしいものも良かったですが、個人的な一番はイカす3兄弟でした。膝に目がついてて、プリエの度に動くという仕組みが実にナイスだなと思いました。基本的にクラッシックバレエで振り付けされていましたが、こういう、プリエを振り付けに取り入れて活きるような衣装を取り入れるという発想力が実に多彩で素晴らしいなと思いました。

踊りもとても良かったですね。魚たちの踊りもとても良かったですが、季の庭の夏・お祭りのモチーフの踊りが見ていてとても楽しかったです。秋・どんぐりの踊りは白鳥の湖の4羽の白鳥の踊りがモチーフなのかしら?と思ったり。

後は、時の案内人、という登場人物が、時には語り部として、時には黒子として劇を誘うというのが面白かったと思いました。時計型の紋入りの紋付袴のような衣装で、歌舞伎みたいな白塗りで、帽子を被っているという造形でしたが、これもいろいろな時の流れを表しているんでしょうか。

鑑賞中に少しだけ思ったのは、女性のプチ・アレグロや、細かな足の動きというのは、こういう振り付け作品に取り入れずらいのか、入れる発想があまり出にくいんでしょうか。振り付けであまり見かけなかったと思って、そこが気になりました。

 

ウサギと亀の童話、竜田姫、織姫と彦星などの日本でお馴染みのお話も取り入れられていて、それも面白かったです。お子さんたちもかなり喜んでいらしたようでした。

丁度、知り合いの、あまりバレエを見たりされない外国の方におすすめした作品だったのですが、この昔ばなしなどの部分含めてかなり面白く見ていただけたようでした。

 

 

踊りも全て高レベルで、素晴らしかったです。

使われている音楽がかなりつかみどころがなく聞こえるものが多かったと思ったのですが、一体ダンサーの皆さんはどうやって合わせてるんだろうか…と不思議でした。

木村さんの亀の姫は浦島太郎と目があってヒレで顔を覆うところがとってもかわいかったです。あと、小舟を引きながらゆっくり歩くところ、あれ、ずっと歩き続けるのとても緊張するような気がするのですが、足運びが非常に美しかったと思いました。

柴山さんの亀の姫はずっと微笑みを絶やさないでいるのがちょっと神秘的な感じでした。浦島太郎相手も最初は恐れが感じられるような面が見られた気がして。ラストシーンは特に神々しさが感じられました。

渡邊さんは、クラシックよりこういう役の方が実に生き生きして見えました。(毎度こんなことを書いている気がしますが)こういうリラックスした感じで彼のクラシックを見たいです。ポーズがとても美しいので、1瞬1瞬でお伽噺の1ページ感があったような気が。影絵のシーンの腕の動き、季の庭に向かう時の上半身と下半身のバランスが実に美しかったと思いました。

速水さんは、ドン・キを見た時は役作りがもう少し、と思っていたのですが、今回かなり良かったと思いました。ラスト、鶴になったあたりは使命感まで感じるような表情が良かったと思います。今回昇進もされましたが、もう、どんどん主役を踊っていった方が良い方なんだろうと思います。見たいです。

個人的に最近押していて、今回ソリストにも昇進された飯野さん、フグ接待魚の役だった時にほっぺたを膨らませてとっても可愛い表情をされていたのに悶えました。

あと、ウサギと亀の競争のシーン、後ろで応援している魚さん?がウサギが抜かれたあたりだったかにあちゃー!!みたいな演技をするのも可愛かったなぁ。

惜しむらくは、織姫と彦星の踊りで2人の関係性が感じられなかったように思えた所です。振り付けのせいなのか、踊りのせいなのかイマイチ言語化できないのですが、あまり物語が見えなかったかな、と。

その点、竜田姫の踊りは良かったです。今回見た2人のダンサー、いずれも物語が見えるようでした。

 

開演前から場内に水の音がしたり、舞台上には玉手箱が置いてあって、ワクワク感たっぷりで、パンフレットのあらすじを読み聞かせている親子さんでいっぱいで、きっと夏の良い思い出になったんだろうなぁ…。

 

 

 

timetable

 

 

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theatre

カーテンコール撮影OKだったのでお写真撮ってみました。

渡邊&木村ペアの時の写真。

 

 

フグ接待魚ちゃんのキーホルダーが凄く欲しかったし、カメのぬいぐるみは絶対売れると思いましたので、ぜひ!グッズ化求む…!