18

18

ju-hachi

20201/6/22 永久メイさん マリインスキーのファースト・ソリストに昇進

あまりに嬉しかったので記録しておきます。

つい先ほど、mariinskyのinstagramで記事になっていて気が付きました。

 

マリインスキーバレエ団の永久メイさんがファースト・ソリストに昇進されました!

おめでとうございます!

 

この記事を出している時点で既にバレエ団のソリスト紹介ページも更新されていました。

 

SOLOISTS OF THE 238th SEASON

https://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/soloists/

 

dacers

 

いやー、このそうそうたる顔ぶれの中に永久さんが…本当にすごいな…。

 

 

 

BALLET TROUPE

https://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/troupe/

dancers

 

 

 

永久さんは2017年にモナコのプリンセス・グレース・アカデミーを卒業後、マリインスキーバレエ団に研修生として加入、2018年、永久さんが18歳となり、正式入団を果たした際には、コリフェを一階級飛ばして一気にセカンド・ソリストとなっていました。

 

昨日、21日にはオレシャ・ノビコワ(Олеся Новикова)が、ついに、ついにプリンシパルに昇進しておりました。

空いたファースト・ソリストの枠に誰が持ち上がるかしら?と気になっていたのですが…まさか!でした。

いやー、個人的にはイリューシキナかルキナが上がるのかなぁと思っていたのですが…

何て嬉しい誤算。一ファンとして本当に嬉しいです。

 

きっと来シーズンあたりにはいよいよ、眠りのタイトルロールとか、踊ってくれるんじゃないかと期待しています。

 

おめでとうございます!

 

2021/5 福満園 別館 "海老のマヨネーズ","大海老の山椒辛子水煮" 他

用事があり元町に行った帰りに中華街に寄って、久しぶりに中華を食べました。

中華街に行くといつもお店に迷っちゃいますが、今日はどうしてもエビマヨが食べたくて…

店先のメニューで海老マヨがおいしそうだったこちらへ。

 

「福満園 別館」さん。

 

 

お店に入ってから知ったのですが、福満園さんは「黒チャーハン」発祥のお店で有名とのこと。

(海老にしか目がありませんでした…)

 

休日の夜、早めの時間でしたが、店内はガラガラでした…。このご時世ですのでね…。

 

メニュー表紙。

 

menu

 

 

海老ゾーンのメニュー。

中華はホント、海老のメニューがいっぱいなのがいいですよね~

 

menu

 

とにかく海老マヨを食べることだけは決定です。

いいお値段ですけどそんなこと気にしません。

 

menu

 

他にも同行者が食べたがった、辛そうな海老なども頼んでみました。

海鮮を煮たものを食べてみたかったようですね。

 

menu

 

海老マヨ。

残念ですがちょっと冷たかった…。

海老の量も十分でしたし、ソースたっぷりでおいしかったんですけど、できたらもうちょっと温かかったらよかったです…。

 

shrimp

 

大海老の山椒辛子水煮。

いやー、乗っかっている唐辛子の量、今写真見てもすごい量ですよね…。

山椒もたっぷりで、食べていくうちに辛さが増して感じられるような、じわじわとした刺激でした。

白いご飯をかき込みたい味でした。

 

shrimp

 

きくらげや、もやし、ニラなどが入っていたと思います。

海老もこれでもかと入っています。プリプリでした。

海老の切り方が面白かったです。くるっとしていました。

 

shrimp

 

他にも卵と海老の炒め物を食べました。

海老が大きくて卵もふわふわ!大満足でした。

比較的優しいお味でした。

 

shrimp

 

さて、もうだいぶおなか一杯だったのにとどめで黒チャーハンまで頂いてしまいました。

黒チャーハンは、中国産のたまり醤油を使っているのが大きな違いのようです。

なんでしょう、醤油よりは納豆のような、発酵した調味料の味を感じました。

今まで食べたことのない後をひく味。

米粒が小さめでパラッパラ、とてもおいしかったです。

 

fried rice

 

大満足、というか、調子に乗って明らかに食べ過ぎてしまいました。

他にも食べたい海老がたくさんあるので、また食べに来たいですね。

 

tabelog.com

2021/6/5・6・12 ライモンダ[新国立劇場バレエ団] 感想

待ちに待った新国立劇場バレエ団の生公演でした。

緊急事態宣言延長に伴い、チケットも5月末日で50%以上座席が埋まっている公演については販売停止ということで、ほとんどの公演は6月以降取ることができなくなりました。(と言っても、5日と6日はほぼ満席状態でしたが。)

5月中に慌ててチケットを買いたせましたが、気づいて良かった。。

 

今回の公演も、本当に素晴らしかったです。

少しでも多くの人に見られるべきだったと思いました。チケット販売停止が本当に惜しい。。。

新国バレエ団は、こういうクラシックな演目はもう本当にピッタリですね。

脇のダンサー隅々まで行き届いた、素晴らしいハイクオリティの踊りの数々…すごいものをみてしまいました。

 

牧阿佐美版のライモンダ、衣装やセットが非常に美しかったです。

踊り自体はほとんどプティパ版と変わらず。

特に3幕の星空の下のような背景セットは秀逸でした。

十字の巨大な旗がとても印象的なプロローグよって、物語が非常に分かりやすくなっていました。

唯一、ジャン・ド・ブリエンヌの肖像画だけ、もう少しなんとかならなかったのかなぁと…もうちょっと、絵の中の彼、かっこよくても良くない…?

それと、私の視力の問題だと思うのですが、紗幕の絵が一体どういう場面なのか3度見てもさっぱりわからなかったです。どうやら、『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』がモチーフらしいです。

『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』中世フランス王国の王族ベリー公ジャン1世が作らせた装飾写本(Wikipedia引用)

 

あと、牧版のアブデラクマン、悪役然とした描き方でないのが好きでした。

キリスト教圏のお姫様のライモンダに熱烈に恋しちゃったイスラム教圏の男、アブデラクマン……ロミ・ジュリじゃないですけど、叶わない恋に燃える彼が個人的にツボ…。

(熱いアプローチ受けてジャンにちゃんと一途でいるのが、ライモンダの良いところなんでしょうけど。)

アブデラクマンのテーマ曲(?)の中東っぽい旋律も好き。

しかし、キャスト表ではアブデラ”ク”マンになっていたけどアブデラ”フ”マンではないか?と思いました。ロシア語の表記でもАбдерахманのようだし…

 

ライモンダは、作中に登場する数多のヴァリエーションはほとんど知っているものの、全幕を生で見るのは初めてでした。

牧版ライモンダではいろいろとマイルドな表現になっているものの、上演するバレエ団が少数らしいのもうなずける内容かな、と改めて思いました。

音楽もヴァリエーションも、大好きだから、誰か音楽そのままに作り直したりしてくれないだろうか。

※主要人物のアブデラクマンは"サラセン人":中世ヨーロッパ世界でイスラム教徒を指した言葉(Wikipedia引用)

 

 

3幕の結婚式は"ハンガリー風の結婚式"ですが、ハンガリーの踊りを知っている知人から、ハンガリーの踊りは手やら自分の腿やらを叩くらしいと聞きました。チャルダッシュやライモンダの手を叩くヴァリエーションも、そういう要素が踊りに取り入れられているんでしょうかね。

この、手を叩くライモンダのヴァリエーションが、結婚式の踊りの割に物悲しい曲だなぁ、と思っていたのですが、今回全幕を観て、そりゃ、結婚前に自分のために1人人間が亡くなっているから、愉快な音楽で踊ってはいられないか…と思いました。

でも、自分の結婚式にずーっとパドブレし続けるのは実に大変そう。

 

 

6月5日のキャスト

casts

 

 

 

学校団体の鑑賞日ということをすっかり忘れてチケットを買いたした日。

この貴重な演目を鑑賞できるなんて、都会の子はなんて恵まれているんだろうと、うらやましく思いました。

でも…若いうちからバレエなどの芸術に触れるのはもちろん非常に良いことだと思うのですが…おふざけでずっと拍手をしまくって遊ぶのは勘弁してほしかった…

上演中は比較的静かに鑑賞していらっしゃったものの、残念でした…。

でも、ライモンダってバレエ初心者に向かない演目だと思うので、学生さんには辛かったでしょう。

回転、跳躍、リフトなどで大技もほとんどないし、ストーリー展開も凝ったものでもないし、絶対に大半は1幕の夢の場で寝るだろうなぁ、と思っていたらやっぱり幕間で寝落ちた話をしている子たちがいました。

この、主に繊細な足捌きを見る踊りの良さは、わかりづらかろう…

この前のコッペリアの方が、きっと学生さんたちが観るには良かったのかもなぁ、と思いました。

それでも、彼らにはぜひこの至高のライモンダを観たという貴重な経験をぜひ大切にして頂きたい所ですね…

 

米沢さんと福岡さんの組み合わせは、個人的に、ドン・キの3幕を観てみたいと常々思っていた組み合わせなのです。

ライモンダはどうかと思っていましたが、もう素晴らしかったです。もっとこの組み合わせでの踊りを観てみたいです。

2人とも踊りがダイナミックで、あらゆるパの、リフトのすさまじい安定感、その風格たるや、まさに王者と言った感じ。

特に米沢さんの神々しさは筆舌に尽くし難い。特に2幕のヴァリエーション、よくもあんなスローテンポで踊れるなぁと感動しました。この1年で、一人だけ踊りのレベルが上がりすぎているような感じです。すごい。

 

中家さんのアブデラクマンも良かったです。

長いマントをたなびかせて登場するのがかっこよすぎました。

長身が映えて、中家さんと福岡さんの決闘シーンはすごく見ごたえありました。

 

あとは、クレメンスの細田さんの踊りが優雅で実に良かったです。腕と背中の柔らかな動きが、この役どころの踊りに本当にピッタリでした。

飯野さんの3幕ヴァリエーションも素敵でした。この方、個人的に最近注目しています。

あと、3幕の男性のパ・ド・カトル!こんなにダンサーの容姿の揃った、1人1人のレベルの高いパ・ド・カトルを日本で見られるなんてもう奇跡!と思いました。

 

惜しむらくはサラセン人の踊りの部分がきれいにまとまり過ぎる感じだったかな、という所でしょうか。

もうちょっと力強さでも、異国っぽい感じでも、他の踊りと違いが出るとメリハリがついてより良いように思いました。

渡辺与布さんは、こういう踊りがお得意でとてもいいですよね…素敵でした。

(お名前がわからないのですが、サラセン人の踊りの部分、後ろの階段あたりでサラセン人側のガヤガヤしている方の演技がうまいなーと思いました。どなただったんだろう…)

 

casts

 

小野さんがこの日だけしか出演されないので、あっという間にチケットが売れてしまった日だったです。

小野さんと奥村さんの組み合わせもよかったです。このお2人、アラベスクがとってもきれいだと思うんですよね。1幕のパ・ド・ドゥで2人そろってアラベスクするシーンの所は惚れ惚れしてしまいました。

小野さんは、個人的には1幕のヴェールのヴァリエーションが良かったのですが、3幕のヴァリエーションの時に、観客側がみんな息止めてる?っと思うくらい集中して小野さんの踊りに見入っていて、舞台のダンサーと観客とが生み出すピーンと張り詰めたような…あんな空気を生み出せる人なんだなということに感動しました。

劇場のこの空気って素晴らしい、と改めて思ったり。

 

メイン以外のキャストは初日と変わらず、この日も素晴らしかったです。

この日は、初日よりアブデラクマンの日焼け具合が抑え目な気がしました。

個人的なメモとしては、珍しく1幕群舞で動き出しのミスがあったのと、3幕ジャンのソロでオケが吹き間違えてた気がした。

 

12日のキャスト。

cast

出演者に変更有。

cast

 

どうしても木村優里さんが見たくてチケット取った日だったけど、速水さんのアブデラクマンも見れたので、本当に取ってよかった。

 

全体的にはセカンドキャスト感が否めない感じで、要所の群舞すら、どこが爪が甘かったです。(多分、ファーストキャストの出来が良すぎた。)

 

何といってもこの日は個人的にアブデラクマンが見れて良かった日になりました。

中家さんに比べると、ダークオーラや威厳みたいなものが無くて、良きリーダーと言った感じ。アブデラクマン的かと言われると、うーん…さながら若頭…まぁ、コンラッドかランケデムかな?って雰囲気ではあったんですけど、でも、彼のアブデラクマン、ずーっと、ずーっっとライモンダを見つめていて、サポートはしてもヘンリエッタとクレメンスに目もくれずにいたり、なんか、めちゃくちゃ可愛かったんですよね。応援したくなってしまいました。

演技もよかったです。表情が印象的で、ライモンダへの激しくて熱い執着が感じられました。

踊りは言わずもがな、ダイナミックで安定感さえ感じられて、この日のライモンダは彼のアブデラクマンについて行ってもおかしくなかったと思ったり。(あまりに見た目が武闘派で、正直、決闘でジャンに負けるとは到底思えないアブデラクマンでした…。)

カーテンコールでも彼への拍手は盛大で、観客の期待が大いに感じられましたし、もう、何でもいいから彼に早くたくさん主役踊らせてあげて欲しい。

 

木村&井澤ペアは真に美男美女で、舞台で2人が並ぶと眩しかったです…。

木村さんは1幕の登場シーンのアチチュードが特に良かったと思いました。足が美しくてアラベスクなどのポーズが映えるなぁと思いました。あと、1幕のヴェールのヴァリエーションの音楽も非常にスローテンポだったけれど、安定していました。ただ、この日はポアントの音がコツコツしていたのがかなり気になりました。2幕のヴァリエーションの、連続シャンジュマンの所が特に。

井澤さんのジャンも王子様感がとても良かったです。2幕のライモンダを助けに登場するシーンなんか、マントも似合っていてまさに王子様!って感じでした。

あと、彼のジャンが一番、ライモンダへの愛が感じられました。

踊りも、3幕のジャンのヴァリエーションがとてもよかったです。

 

ヘンリエッタとクレメンスの五月女さんと廣川さん、想像していたよりも雰囲気にピッタリ合っていて良かったです。特に、やっぱり五月女さんは踊りが小気味よくて素晴らしかった。

ベランジェとベルナールの浜崎さんと中島さんは、あまりお顔で認識したことの無い方でしたが、浜崎さんはモデルみたいなきれいな方でした。スタイルも抜群。でも、踊りはつま先がちょっと甘かった。これからに期待。中島さんはスタイルも良くて、とてもきれいな踊りをされる方でした。今後はぜひ注目したい。

ワルツファンタジアの第1ヴァリエーションの渡辺さん、足が長くて個人的にはこのヴァリエーションのイメージにピッタリでした。(ただ、五月女さんがこのヴァリエーションを踊っていた時は曲のテンポがずっと遅くて…それを難なく踊っていた五月女さんの足の、テクニックの強さを改めて感じました。)

サラセン人の益田さん、ちょっとよろけてしまったシーンもありましたけど、動きが非常に滑らかでよかったです。足捌きも良かった。

スペイン人の寺田さん、木下さんも良かったです。リフトがすごく勢いがあって、こういうキャラクターダンス系の木下さんの踊りはいつも大変良い。

 

この日のオケが聞いた中で一番良かったと思いました。夢の場のライモンダのヴァイオリンのソロが最高に美しかったです…。

 

 

今回の公演で忘れてはいけないのが久々に戻って来たバクラン氏の指揮でしょう。

アレクサンドル・グラズノフの音楽が、バクラン氏のダンサー顔負けで踊っているような指揮で更にキラキラとしていて素晴らしく、感動もひとしおでした。

カーテンコールで一番の拍手を浴びていたのもバクラン氏とオーケストラでした。

素晴らしいオケと素晴らしいダンサーたち、本当に本当に、このご時世で非常に元気をもらえる、素晴らしい舞台でした。

 

timetable

 

2021/5/23 ドン・キホーテ[Kバレエカンパニー] 感想

ヒューストン・バレエ団を退団された飯島望未さんがKバレエ移籍後の初の公演ということで、前回の白鳥の湖の際、幕間に猛ダッシュの末、チケットを入手した公演でした。

 

ドン・キ、このバレエ団にぴったりの作品だなぁと思いました。まさに看板と言える作品。

前回のKバレエ鑑賞の際に気になった、息付くヒマがなさすぎる問題も、もとからドン・キを見るとなればほとんど気になりませんし、熊川氏の再振付ももちろん入っていますが、それも個人的にはあまり違和感なくみられました。

ドン・キの2幕って全体的に照明も薄暗いし寝落ちやすい場面だと思うのですが、そこにキトリとバジルの見せ場たっぷりのパ・ド・ドゥを入れてきたり、全く飽きさせない展開のつくりだったのが感動しました。

本当に、熊川氏は初心者がバレエでダレるポイントをよく心得ていらっしゃるのだろうなぁ…と。

 

キャスト

casts

 

 

<<メモ>>

・冒頭の前奏、テンポ遅くて重たかった。ちょっと好きじゃない。

・2階部分まで使用される舞台セットが非常に豪華。

闘牛士の持つ布が黄色とピンクで鮮やか。

・1幕、メルセデスの踊り、剣は実際に突き立てるタイプ。やっぱり倒れる。メルセデスの衣装がちょっと安っぽく見える。

ドン・キホーテ、よぼよぼおじいさん感。持つ剣が無茶苦茶に長い。ギャグ。

・2幕、風の音、虫の鳴き声の音などが入る。風車がばかでかい。

・2幕はキトリとバジルのパ・ド・ドゥから

・2幕の夢の場、星空。メインの森の女王やキューピッドの衣装も白、金、銀のでとても美しい。

・酒場、キトリがバジルに飛び込んでいくシーンでダンサーから声。好みではない。

・酒場のシーン、エスパーダとバジルがテクニックを競うようなシーン。面白い。ガマーシュとドン・キホーテの茶番のような決闘も。

・通常、1幕に入るサンチョ・パンサのトランポリンシーン?が3幕にあり。どうしてここにいれたんだろう。これはあまり好みでない。

・3幕、しばらくずっと後ろにいる酔っ払って寝ているような人物が気になってちらちら見てしまう…

 

個々のダンサーについては、もうなんといってもエスパーダが!杉野慧さんがめちゃくちゃかっこよかったです!

眼光の鋭さ、長身で、踊りにすごく迫力がありました。

これぐらいの圧があってくれると本当に映える役どころだなぁと、彼の登場の度に見惚れてしまいました。

闘牛士たちも迫力のある見た目の方が揃っていましたが、それを率いるにふさわしいような風格があって、非常に良かったです。

 

飯島望未さんはとっても演技が良かったです。

飯島さんの大きな瞳がくるくると動いて、お茶目でキャピキャピしたとっても可愛らしいキトリだなぁ、と思いました。

踊りも上半身と腕遣いがとても美しかったです。

キトリには少し力強さがもの足りなかったと個人的には思って、他の役での踊りをもっと見てみたいと思いました。(ので、次のシンデレラを早速チケット押えました。)

あと、もう少し音楽と一体感が欲しかった。多分、移籍したてでいらっしゃるし、今後オケともどんどんあっていくのだろうとは思いつつ。

とはいえ、ラストのグランフェッテはダブルも余裕で入れていて十分な見ごたえ。とても素晴らしかったです。

 

バジル役の山本雅也さんを見るのは、昨年の海賊のアリ以来かもしれません。

その海賊の時よりもやや不調な気がしましたが、今回も胸のすくような跳躍と回転を見せていただきました。

今回は1幕の見せ場のリフトが素晴らしかった。2回目なんて5秒以上はキープしていたのでは。鳥肌モノでした。

あと、あまりにも軽々と540を飛ぶのでどうかしていると思いました(褒めてます)。

 

花売り娘、3幕のヴァリエーションを踊った成田さんと毛利さんは、こういう役どころでもう何度もお見掛けしていますが、安定感があってとても良いです。

特に花売り娘の踊りが溌剌としていてよかった。

 

メルセデスと森の女王を踊った戸田梨紗子さんは、メルセデスよりは森の女王の踊りの方が良かったです。いとも軽々とイタリアン・フェッテを繰り出していました。

あと、この2役、とても同一人物が踊っているとは思えない程雰囲気が違って、改めてKバレエのダンサーは演技達者だなぁと思いました。

 

後は、キューピッドの萱野さんのグラン・パ・ド・シャの足の開きっぷりと軽やかさに惚れ惚れとしてしまいました。

 

この回、1幕で布を持って走り回る少年が布を落っことしてしまったのがトラブルと言えばトラブルでしょうか。一瞬拾いに戻りかけて、振りきって走りぬいた少年に心の中で拍手しました。

 

今回、ついにオーチャードホール市松模様の席配置ではありませんでした。

 

2021/5/22 DAIFUKU vol.7 『DAIFUKU-Q-』感想

昨年、初めて鑑賞した、大和雅美さん、福田圭吾さん演出・振付の"新感覚ライブバレエエンターテイメントDAIFUKU"シリーズ、今作の作品はバレエなのに"ミステリー"、謎解きモノという、またもこれまで見たこのないような作品。

昨年のvol.6に続き、今作もすごく面白かったです。

 

あるバレエ団のスポンサーが殺され、ベテラン刑事が犯人を追って調査をし、犯人を明らかにしていく…という筋書きで、冒頭とラスト以外あたり以外はほとんどセリフもなく舞台が進行していきます。

(セリフの部分も時世柄、録音を放送する形で、実際に作中で「このご時世なので録音」とはっきり言っていたり。)

謎解きを楽しむ作品ではなく、あくまで踊りを楽しむ作品で、犯人の残した証拠はわかりやすく見せられるし犯人もすぐにわかってしまうのですが、ラストの謎を解いていくシーンが、それまでの場面を真相を交えてもう一度繰り返し踊って再現する、という形で斬新でした。そうきたか!と思いました。

 

 

 

作中のダンスもとてもよかったです。

皆さん表現力が素晴らしく、微妙な感情表現までセリフがなくてもここまでわかるもんなのかぁと関心しました。

きっと大和雅美さん、福田圭吾さんの振り付けもとても素晴らしいのでしょう。

プログラム上では01"Q" になるんでしょうか、冒頭辺りの、頭から足まで黒づくめの群舞が圧巻でした。(名探偵〇ナンとかの、黒タイツ犯人のイメージですかね。)

黒づくめの衣装を解くと今回のメインキャスト達が現れるような仕組みでした。

 

ダンサーの中では刑事役の八幡 顕光さんの踊りや演技が特に良かったと思いました。

踊りや表情での感情表現が秀逸、セリフが無いのにすごくわかりやすかったですし、踊りの迫力とキレが人一倍でした。

あまり存じ上げなかったのですが一気にファンになりました。

フルフォード 佳林さんも素敵でした。すっごく美人で、この作品ではちょっと嫉妬深い?女性の役なのですが、表情がとてもよかった。

あとは、ヒロインの渡辺 恭子さんのあまりの顔の小ささ、手足の美しさに惚れ惚れとしてしまいました。

実際にスターダンサーズ・バレエ団でプリマされてる方ですけれど、物語的にもバレエ団のプリマという設定なのですが、その登場された時の説得力たるや。

舞台の真ん中にいる人だなー!というオーラがすごかったです。

 

今回、運よく最前列の席を取れて大迫力で鑑賞できました。

作中、刑事が聞き込みをするシーンで観客にも聞き込みをするシーンがあったり、明らかに座席が空けてある客席があって、きっとダンサーが座ってくるんだろうなぁと思っていたら本当に作中でダンサーが座って使ったり、観客との距離がとても近かったです。

 

また来年の作品も楽しみになりました。

 

----以下、公式ページよりコピペ----

大和雅美
福田圭吾

■ゲストダンサー
池田 武志
小野寺 雄
小柴 富久修
フルフォード 佳林
森田 維央
八幡 顕光
渡辺 恭子
渡邊 拓朗

■キャスト

阿部 美絵
川澄 藍
佐塚 裕理
島田 亜紀
清水 彩
高橋 里奈
中野 百花
新倉 さやか
原田 奈津子
繁昌 楓
松嶋 香織
横田 千咲

2021/5/2・4・5・8 コッペリア[新国立劇場バレエ団](オンライン配信) 感想

オンライン配信のプティ版コッペリア、全日視聴しました。

再びの公演中止に落胆していたのですが、なんと全キャストオンライン配信(しかも無料)だなんて、とんでもない企画をしてくださった新国立劇場の関係者の方々には感謝しかありません。

キャスト発表された時から、スワニルダとフランツがいつもと違うペアばっかりだったので、もうこれ全部見るしかないんだろうなって思ってたわけです。

だけど、公演中止じゃ、万が一配信あっても1キャストだよね、と思ってたんです。

それが全キャストだなんて…もう本当に夢のようでした。

 

各日、視聴人数がずっと多くて、4日トータル16万人以上はいったでしょうかね。

Youtubeだと、タイミングによっては4万7千人とか視聴してましたし…無料ということでよく見られたのでしょうか。

もちろん、本来は有料であるべきだろうと思うのですが…それでも、無料ということで友人・知人に気軽に紹介しやすかったのは良かったですし、演目も、見ていてわかりやすくて、ガチガチの古典の演目よりも普段バレエを見慣れない人でも見ていて面白かったのでは、と思いました。ダンサーの表情をアップで見ることができるから、よりストーリーもわかりやすかったのだろうと思いましたし、配信向きだったのかもしれません。

そして、カメラワークがストレス少なく見られて良かったです。相当リハされたんでしょうか…

(ただ、これでオンラインでやればいいじゃんみたいな空気が生まれないといいな、と少し心配になりました。やはり、舞台の空気感を味わうのは何物にも代えがたいと思うのです…。)

 

 

全体的な感想としては、

私は福岡雄大さんのコッペリウスを見たかったです…!

これに尽きます。

今回のコッペリウスも良かったんですけど…特に、山本さんは不気味さとか変態加減とでも言うべきかのバランスが抜群だなぁと思っていたのですけど、福岡さんのコッペリウスが…!見たかった…!!

あれだけ芝居上手な福岡さんなら絶対…絶対良かったと思うんですよね、コッペリウス…!

だから、コッペリウスのキャスト発表時点でちょっと落胆してましたし、やっぱり配信見てもそう思いました。

次回がもしあれば、ぜひ、ぜひ期待したい。

 

個人的に一番良かったのは5月4日の木村&福岡ペアの日でした。

お芝居上手なペアに山本さんが加わって、3人それぞれのやり取りと関係性が一番はっきり見えて、それがとても良かったと思いました。

最後はボロッボロ泣いてしまいました。

他の日も、もちろん良かったんですが、フランツとスワニルダの関係がアンバランスに感じて、そこが残念だったな、と思いました。

 

また、この演目自体、このバレエ団に合っていたのか、というのもちょっと疑問でした。

なんというか、"フランスのエスプリ"ってものは薫らなかった気がしました。

オンライン日中配信なので、まぁ、いろいろマイルドになっていたのかもしれないのですが、やっぱり、現時点ではもっとクラシックでお上品な作品の方が似合うバレエ団なんだろうなぁ、と思いました。

 

 

 

※キャスト表は全て新国立劇場バレエ団の配布のPDFを頂戴し画像化しています。

5月2日のキャスト。

cast

米沢&井澤ペア。米沢さんの踊りは相変わらず素晴らしかったー

クラシックとは違って普段やらないパが多い振り付けだと思うのですが、米沢さんの踊りが一番自然に見えたなぁと思いました。しょっぱなのストゥニューがすごくエレガントでした。ポアントでいつまででも立っていられそうでしたし、特にアラベスクのキープ力はため息ものでした。

井澤さんの踊りも良かったですし、コッペリウスとの掛け合いもうまかったです。

スワニルダとフランツ、どちらも軽やかな跳躍が素晴らしいなぁと思いました。

中島さんのコッペリウスはとっても上品でした。人形とのダンスシーンは純粋に踊りがうまかったと思いました。でも、もうちょっと変態ぽくてもよかったですかね。

しかし、なんだかちょっとスワニルダが大人っぽ過ぎて、スワニルダとフランツとのペアがアンバランスだった気がしました。

あと、全部通しで見た後だと、一番スワニルダ・フランツ・コッペリウス間でセリフが見えない回だったな、と思いました。わかるんですけど、もやもやーっとしているなぁと思ったのでした。

 

 

5月4日のキャスト。
cast

木村&福岡ペア。2人とも演技が達者ですごく良かった。

木村さんのスワニルダは米沢さんのピュアなスワニルダと違って、生意気小娘っぽいスワニルダが個人的にはこの役のイメージに合っていたと思いました。

福岡さんのフランツフも、コッペリウスとの掛け合いがとてもよかった。こういうのやらせたら福岡さんは本当にうまいなぁ…と思いました(だからこそコッペリウスをやってほしかったわけなんですが…)。踊りもダイナミックで迫力があって良かったです。

山本さんのコッペリウスは、最初にも書いたけれど不気味さと変態さの加減が本当に絶妙でした。素晴らしい。ちょっとした仕草が上手だなーっと唸ってしまいました。特に2幕の人形に耳打ちで話しかける所なんて変態ー!って叫びました。

人形との踊りも人形と体の間に空間があって使い方がうまいような気がしていました。

この回、ちまちまあったトラブルのなかで一番大きなものが、コッペリアの振りをしたスワニルダが踊っている途中で扇子がすっぱ抜けちゃったことなんですが、山本さんがさっと拾って、踊りの途中のスワニルダに自然に渡していて、感動しました。それに、木村さんがこういうトラブルに滅法強いのが分かっていたので、安心して見られましたね。

あと、スワニルダの友人が2日とキャスト違いだったのですが、個々人の個性が見えて良かったです。2日はちょっとみんな同じに見えちゃったのですが、この日は表情もはっきり違いがあって、踊りも個性が見えたような。さすがベテランぞろいの日だったですかね。

周りの幸せさと明るさが一層ラストのコッペリウスとのギャップを生み出して、この日は幕後にすごく泣けてしまいました。なんとかして丸裸の人形と踊ろうとして足を動かしてみるも、踊れないコッペリウス…なんという残酷で憐れなラスト…。

 

 

5月5日キャスト。

cast

池田&奥村ペア。普段よくしている組み合わせからばらばらになっているペアが多い中で、このペアだけは変わらず。

パ・ド・ドゥはやはり安心・安定といった感じで、2人の関係性も良く見えました。

池田さんは足が強いダンサーだと思うのですが、細かいステップの踊りとか、バロネとかトンベからのピケ・アラベスク(でしょうか?)などが、鮮やかに決まっているなぁ、と思いました。

ただ…一幕出だしのソロは多分ガッチガチに緊張してたからかな、と思ったのですが、全体的に踊りに面白味がなかったのが残念でした。表情も良くて演技も悪くなかったんですけど、なんだか教科書的な感じ?肩・背中・手の印象が薄いような気がしました。

なんでしょう、本当にお人形さんみたいなんですよね。お人形に化けてた時の踊りが良かったな、と思ったのですが、普通に踊っててもお人形さんみたいで。それは、この回のスワニルダの友人にも受けた印象です。無個性なお人形が踊ってるような印象…でした。そこが残念。

奥村さんは、相変わらず良かったです。もともと個人的に踊り方が好きな方ですけど、演技もよかったですね。特に2幕、コッペリウスの家の中に入る所、思わず落ちちゃったみたいな演技がうまいなぁと思いました。

中島コッペリウスも初日より変態度?が増しててすごく良かったです。もう何公演かあったら、もっと良くなるかもしれませんね。

 

 

最終、5月8日のキャスト。
cast

小野&渡邊ペア。小野さんがひたすら可愛かったです。

小野さんも演技が上手な方だと思いますが、スワニルダの表情とコケティッシュな仕草がとても自然で良かったです。もう、私はかわいいーって何度画面に向かって叫んだだろうか。

ただ、米沢さんや木村さんと比較すると、上手なんですけど、若干踊りに面白味のなさを感じてしまいました。ちょっとちまっとして見えるというか。

渡邊さんは、(もう何度も書いてますけど…)ついつい、今日は大丈夫かな、とか、頑張ってほしいな、と手に汗握って応援しながら見てしまうわけですけど、この日は踊り良かったですね。いつもよりとても自然な踊りに見えました。なんでかな?と思ったのですが、トゥールーズにいらっしゃったから?フランス派っぽい踊りがやっぱり合っているのかしら…?

演技も前よりよかったですし、何よりフランツのキャラが合っていたような気がしました。サポートがちょっと不安になる瞬間があったり、肩にメチャクチャ力が入っているので…力を抜いて伸び伸び踊っていただける日がいつか来ると良いなと思っています。(何様なコメントですけども。)

山本さんのコッペリウスはやっぱり素晴らしかった。人形とのダンスシーンの終わりに、コッペリアに投げキッスさせるとか…もう小さな演技がたまらなく上手。

あと、2幕のコッペリアに扮したスワニルダとコッペリウスのやり取りのシーン、小野さんと山本さんが本当に声出てないの?と疑問に思うくらい、セリフがこちらにも届くようなやり取りがすごく良かったです。

この日もスワニルダの友人はとても良かったです。寺田さんの表情とか、演技がとっても好きでした。

あと、この日の衛兵の踊り、めちゃくちゃかっこよかったですね。迫力が一番あったような気がしました。すごく難しい踊りだと思うんですけど、これが無料で見られるのは贅沢だなと…。

 

 

長々と書いてしまいましたが、本当に最高の配信でした。

そういえば、電子で公開されていた公演パンフ、役デビューの人が分かるようになったのが嬉しかったです。

 

あとは、1幕スワニルダのソロあたりの、後ろで頭を右に振り続ける衛兵の置物が私は欲しいです…!

 

2021/3/27 舞姫と牧神たちの午後 2021 感想

こちらも、年度末年度初めのバタバタで大変今更な感想です…。

 

舞姫と牧神たちの午後 2021を、マチソワで2公演鑑賞してきました。

緊急事態宣言中にチケットが発売された際には、本当に瞬殺って感じでチケットがなくなってしまいました。小劇場なのでハコも小さくて、更に半分以下の発売数じゃそりゃね…もう見れないかと思いましたが、追加販売してくれて良かった。

 

当日の客席もほとんど満席だったのではないでしょうか。このダンサーラインナップですし、当然と言えば当然なんでしょうが。

 

キャストは末尾に記録。

 

6作品、(このご時世にどうしてそうしたのかしら、と思わなくもないですが)公演名の通り主に男女ペアのコンテンポラリー作品の公演です。

 

 

 

6作品、どれも面白かったですが、やっぱり一番面白かったのは、最後のクリスタル・パイトの「A Picture of You Falling」です。

一部の抜粋が踊られていたということなのですが、もう絶対これ、同じダンサーで全部見たいです。

ある空間と時間などが描写されている英文が、どこかリズムやニュアンスを付けて繰り返し読み上げられている中、舞台上で男女2人がまるで争うようにして踊る、という作品です。(当日会場で流れている英文の日本語訳の紙も配布されていました。)

多分、喧嘩…何らかの争いが起こったその時の描写なのではないかと思うのですが、不穏な雰囲気に包まれていくのが、鳥肌が立つほど面白かったです。

ラストは、流れてくる英文の通りに男女が動きますが、方向が違うだけで違うような意味合いを帯びている…、ようなところが個人的におもしろかった。

湯浅永麻さんと小㞍健太さんの踊りも、パンフレットにもある通り2人の対話が聞こえてくるように感じさせました。

1つの作品の中で同じような動きが全く無いように感じるんですよね。ほんと、どうしてこんな面白い振り付けができるんだろうか。

 

他の作品は順番に感想を綴っていきます。

 

「Danae」ギリシャ神話のダナエとゼウスをモチーフにした作品。

ダナエのもとに、雨となって降り注ぐゼウスを、降り注ぐ金色の紙吹雪(?)で表現しているようでした。初っ端、ゼウスの渡邊さんが手から金のそれを床にパラパラと落とすシーンと、最後、椅子に立った木村さんが降り注ぐ雨に手を伸ばすシーンがあります。

ダナエ、ゼウスのソロがそれぞれにあり、ゼウスの踊りは、何か力を与えるような波のように揺れるようなイメージの振り付けがあったと思いました。

ラスト周辺に、ダナエのスカートを取って、ゼウスが抱きしめるようなシーンがあり、牧神へのオマージュみたいなものも感じたような。

先日も木村優里さんと渡邊峻郁さんのコンテンポラリーを見たばかりですが、なんとなくこの2人はクラシックよりコンテンポラリーがバランスが良くていいなぁって思います。特に、この作品は木村さんが感情豊かな表現が見えてすごくよかったと思いました。

 

「かそけし」これはギター演奏者も含めて3人の作品でした。初っ端から完全に牧神の、あの手を上げて2面的な絵画のような動きが挿入されています。コミカルな作品でした。手拍子や足を叩く音を入れたり、舞台袖にダンサーが突っ込んでいってクラッシュ音がして、文句を言う声が聞こえる…といったシーンなどがあったり、客席からも笑いが。ギター奏者のソロもあって、本体をこする音や、ギター自体を振ると不思議な音をさせたり…

ラストは雑踏と線路を電車が走る音がして…次第にここがどの空間なのかがわからなくなっていきます。

ギターの藤元高輝さんの演奏が酒井はなさんと森山未來さんの2人のダンサーを操っているのか?と見えるくらい、音楽と一体と一体いた踊りが心地よかったです。

 

「Butterfly」2番目に面白かった作品を選ぶなら、多分これかな…と思います。

麻のような白い衣装の2人、女性はドレッドヘア。物悲しいピアノ曲が流れる中、激しく、アクロバティックな踊りを繰り広げます。

マチネの2人は圧巻ででした。特に、五月女遥さんの表現力と身体能力がすさまじくかった。ペアの渡邊拓朗さんの身長に踊り負けない迫力がありました。渡邊さんの踊りもスケールが大きくてよかった。

ソワレの池田理沙子さん、奥村康祐さんの踊りは繊細で柔らかさがあって、また情緒を揺さぶるような違った魅力がありました。

 

「極地の空」作品の中では一番合わなかったです…。ちょっと物語性がありそうで、私にはあまり理解ができなかった。一応、メモだけ。

・舞台奥で彫刻を作っているようなシーン

・全面でダンサーが回転するような振り、背中合わせからずっと体が密着し合っているような踊りから、触れあいなくユニゾンの踊り

・二人羽織?獅子舞とかのような場面も

・"通りゃんせ"の歌が流れる

・舞台の対角線上で左右離れ離れの男女

・ラストは女性がいつの間にか消えている

 

「Let's Do It!」パンフレットによると副題はLet’s fall in loveとのこと。山田うんさんがハーフパンツにスーツのような衣装、川合ロンさんがスカートの衣装で、性差を逆転させている衣装で、2人ともボブカットのような髪型でした。軽快なユニゾンの踊りが良かった。一番特徴的なシーンは、上半身が山田さんのスーツで、下半身が川合さんのスカートが見えて、正面から見ると1人の人みたいに見えるようなシーンでしょうか。

 

正直、コンテンポラリーは…あまりに合わない作品だと私はすぐ寝ちゃうんですが…(もうほんとお恥ずかしい限りですけど)、この公演は全部面白い作品ばかりで一つも寝ませんでした。

あと、いつも私の処理落ち気味の脳みそではコンテンポラリー作品の情報処理は追い付かないのですが、2公演も見たおかげで普段よりも処理できた感じがありました。

 

 

<<キャスト>>(新国立劇場Webサイトより)


Danae

【出演】木村優里&渡邊峻郁
【振付】貝川鐵夫
【音楽】ヨハン・セバスティアン・バッハ

 

かそけし

出演
酒井はな&森山未來
演出・振付
島地保武
音楽・演奏
藤元高輝(gt.)

 

Butterfly

【出演】池田理沙子&奥村康祐(3月26日(金)・27日(土)18:00)/五月女遥&渡邊拓朗 (3月27日(土)13:00・28日(日))
【構成・演出】平山素子

【振付】平山素子&中川 賢
【音楽】マイケル・ナイマン、落合敏行

 

極地の空

出演・振付
加賀谷 香&吉﨑裕哉
音楽・演奏
坂出雅海

 

Let's Do It!

出演・振付
山田うん&川合ロン
音楽
ルイ・アームストロング ほか

 

「A Picture of You Falling」より

【出演】湯浅永麻&小㞍健太
【振付】クリスタル・パイト
【音楽】オーウェン・ベルトン