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ju-hachi

2021/3/25 白鳥の湖[Kバレエカンパニー] 感想

年度末年度初め忙しすぎて今更の感想です…

 

新しくプリンシパルになられる日髙世菜さんを観たくてチケット取りました。

アメリカのタルサ・バレエでプリンシパルをされていた方とのこと。

 

キャスト

cast

 

Kバレエの白鳥は初鑑賞でした。やっぱりセットや衣装が相当凝っていて美しい。

本当は、NHKのカンパニーも見終わったことだし、小林美奈さんの回も行きたかったんですけど、いかんせん、時間が合いませんでした。。。残念。。。

 

 

 

お目当ての日髙さん、良かったです。すごく、存在感のある方でした。

踊りを見ていてマリインスキーのテリョーシキナみたいな人だな、と勝手に思いました。ミス・パーフェクト感。きっと、何の役にでも溶け込んで踊りこなせるんじゃないかな、という気がしました。

なんでも溶け込めちゃうから、オデットとオディールの変身の面白さはあまり感じませんでしたが、たおやかなオデット、上品で高貴で色気もあるオディール、どちらも自然でした。どちらかと言えば、オディールの方の目線とか、首の付け方に非常に色気があって、個人的には好みでした。

日髙さん、脚も美しかったし、ステップもよかったですが、特に腕の美しさに感動しました。腕が細くて、長くて、動かす時に肘の関節が無いみたいで、指先まで美しかったです。

踊り全体も、ずっとなめらかで連続性があって、パとパのつなぎを全然感じさせないようなところも素晴らしかったと思いました。

オディールの踊りの見せ場、32回転もトリプルまで織り込んでいました。

 

ジークフリートの髙橋裕哉さんは、ケガなどのキャスト変更があったため今回初めて踊りを見ました。

長身の方ですね。悪くなかったです。個人的にはあまり好みではなかったですが、足がきれいで王子ーって雰囲気がありました。

 

個人的には王子の友人・ベンノ役の関野海斗さんが好きでした。幕開けのジャンプを見たところで心掴まれた!って思いました。背の低めな方だと思うのですが、それを感じさせない踊りでした。

 

1幕のパ・ド・トロワもよかったです。ちょっと、男性の肩首回りが固く見える気がしたのですが、よくこんな大技ばかりのヴァリエーションこなせるなぁ、と思いました。

正確にどの部分の踊りか忘れましたが、女性のヴァリエーションなんて、ほとんど地面に居る時間がないくらいだな、と思いました。

 

この白鳥で一番面白かったのは、やっぱり3幕でしょうか。

衣装もセットも目を奪われる豪華さで、踊りもキャラクターダンスが続くパートですが、どれもこれも見どころばかりなんですよね。 圧倒されました。

 

<<メモ>>

・1幕・2幕、休憩、3幕・4幕という構成。

・序曲で花を集める姫が白鳥に変えられるシーン挿入。

・3幕のパーティーのシーンの衣装が本当に素敵。(ただ、王妃の頭の飾りがすごくて、カラボスを思い出しました…)。ロットバルトは片目(左目?)に眼帯。背景に鏡があって、はっきりではないですが、踊っているダンサーがぼんやりと映っているので不思議空間に見えました。

・4幕登場する黒鳥達は汚れた?ような感じの衣装。

・ラストはオデットもジークフリートも湖に落ちて死ぬタイプ。でも、別の世界で2人は結ばれる。

 

この日、仕事で大分へとへとになっていたので、「見てる間に寝てしまうかもしれな…」と思いながらい鑑賞したのですが、見始めたら興奮して眼が冴えすぎて逆に帰ってから眠れなくなってしまいました。

Kバレエの作品って、振り付けが見どころばっかりだし、激しくて、息をつく暇がないですよね。すっごく面白いんですけど滅茶苦茶疲れる気がします。

踊りがうるさいなーって思うタイミングもあって。1日に2回も見に行ったら絶対疲弊するな、って思います。(普通の人は1日に2回も見ないか…)

私が一番好みでないな、と思うのが、大体群舞が激しいステップとジャンプばかりで、ダンサーのポーズの美しさを楽しむ余韻が微塵もない踊りばっかりになっているような気がする所です。いえ、面白いんです。面白いんですけど。

あんなにたくさんの人間が、どうしてあんな速度であんなにぴったりそろって踊れるんだろうと、見るたびに感動させられますし。

 

そういえばの余談ですが、今回、私のすぐ後ろの席で、ソロや群舞の間のタイミングでずっっっとしゃべっている(ダンサーとかダンスの内容とかですが、)若い女性2人組が居て、すっごく気になって、もうよっぽどやめてくれと声をかけようかと思ったのですが、もういいや…と思って耐えたんです。

でも、見終わった後、そのお二人が「本当に!見れて!すごく!よかった!」とか「初めて見たのが!この白鳥で!本当に!よかった!」とか、痛く感動していたので、他人に怒られた思い出が残るような事なくて、私、我慢して本当に良かったわ、と思いました。

バレエファン増えるといいです。

でも、頼むから、感想言い合うのは幕間だけにしてくださいませ…

 

 

次、この白鳥の幕間に猛ダッシュでチケット売り場に走ってゲットできた、飯島さんのドンキも楽しみです。

 

2021/3/7 コンテンポラリーとクラシックで紡ぐ 眠れる森の美女[公益財団法人日本バレエ協会] 感想

 ここ何年かは毎年見に行っている、日本バレエ協会の公演を今年も見に行ってきました。

 

気づいたのは第二部を見た時ですが、要はオーロラ姫と王子の出会い~オーロラ姫の目覚めまでを一部のコンテンポラリー作品で、結婚式のシーンを二部のクラシックで、という構成になっているようです。

 

キャスト

【第一部】Little Briar Rose(いばら姫)

音楽:ピョートル・チャイコフスキー ほか
振付・構成・演出:遠藤康
美術:長谷川匠
音楽監修:平本正宏
衣裳:朝長靖子
バレエ・ミストレス:梶田留以
アシスタント:原田舞子

キャスト
■オーロラ:木村優
■王子:渡邊峻郁
■カラボス(マジシャン):高岸直樹
梶田留以、金田あゆ子、木ノ内乃々、柴山紗帆、原田舞子、石山沙央理
原一樹、磯見 源、上田尚弘、岡本壮太、南條健吾
小幡真玲、南 帆乃佳、田代幸恵、井後麻友美、海老原詩織、橋本まゆり

【第二部】オーロラ姫の結婚

音楽:ピョートル・チャイコフスキー
振付・構成・演出:篠原聖
振付補佐:下村由理恵
バレエ・ミストレス:佐藤真左美

キャスト
■オーロラ姫:寺田亜沙子
■デジレ王子:浅田良和
■リラの精:大木満里奈
■フロリナ王女:勅使河原綾乃
■青い鳥:高橋真之
■白い猫:寺澤梨花
■長靴を履いた猫:江本 拓
■赤頭巾:清水美帆
■狼:小山 憲
■王妃:テーラー麻衣
■フロレスタン王:小林貫太
■式典長:奥田慎也

■宝石の精
渡久地真理子、古尾谷莉奈、渡辺 幸、加藤大
マズルカ
青島未侑、金海亜由、金海怜香、栗田陽南
小林由枝、染谷智香、須貝紗弓、中村彩子
深山圭子、細井佑季、宮本 望、山内綾香
石原稔己、オリバー・ホークス、川﨑真弘
草薙勇樹、小林治晃、高橋 開、竹本悠一郎
秦野智成、安田 幹、安中勝勇
荒井成也、田村幸弘
■貴族
大塚彩音、小野田奈緒、佐藤愛美
田代夏花、寺坂史織、野澤夏奈
八木真梨子、林 彥均

 

キャスト表は配布や掲示などを見つけられなかったので2021都民芸術フェスティバル公式サイトからコピペです。

パンフレットは購入いたしませんでした。

会場にいろいろな舞台のセットの展示がされていたり、ギャラリー・トークもあったようなのですが、これがあるのをまったく知らなくって、割とぎりぎりに来てしまったので、聞けませんでした。。。

 

ballet

 

 

 

第一部は、遠藤康行氏振り付けの"Little Briar Rose"(いばら姫)。

これ、とても面白かったです。

ダンスも、舞台装置もとても見ごたえがあって、飽きませんでした。

詳細に振り付け等が意図するところがわかったわけではもちろんないと思うのですが、物語が辿りやすい比較的わかりやすい作りの振り付けではないか、と思いました。

 

個人的にはオーロラと王子の造形・衣装が大変ツボで、これだけでも見に行って良かった。

オーロラは、ピンクの髪の毛で一本の長い三つ編みのカツラ、ミニ丈でふわふわっとしたスカートのゴールドの衣装、王子は銀髪っぽい色で、衣装が銀色スーツ。

対になった色合いと、若者!って感じの雰囲気がツボでした。

 

踊りで特に良かったのは王子の渡邊さんでした。彼はコンテンポラリーの時の方が吹っ切れててよい踊りのような気がしました。

 

以下、踊りのメモだけ…

 

・幕開けは通常の眠りなら2幕のワルツの曲。この曲でダンサーが舞台上を縦横無尽に走りまわる、大変激しい踊り。圧倒される感じで見ごたえたっぷり。女性ダンサーは全身ベージュでスカートの衣装、男性ダンサーは黒い衣装。

・ピアノの曲が挿入され、オーロラのソロから、カラードレスを纏った妖精たちの踊り。曲も通常の眠りの妖精達の踊りの曲。

・ローズアダージョの曲でオーロラと、王子のパ・ド・ドゥ。オーロラと王子の掛け合いがなんだか可愛くてよかった。

・舞台の上部に三角形とか四角形が組み合わさった舞台装置があり、それが音楽が変わる度に動いていた。

・2幕100年後の王子登場付近のシーンの曲から1幕のカラボス登場の曲になり、カラボス登場。カラボスは真っ黒の衣装で、マントを着用。舞台上部に配置されている棒の組み合わせに緑色の照明があたり、それが床に移った様がまるでいばらのように見える。(そもそもが上の棒のセット達が”いばら”ということだったのかもしれないが…。)

・カラボスが、なにやらいばらのセットと似た棒を持っている。カラボスの手下と思われる仮面をつけた者たちも。妖精や王子が同じく棒を持って戦う。

・オーロラ、棒に刺されて、全員が倒れる。

メトロノームコンバスの低音とが鳴る曲。ミニマルミュージックのような。時間を刻んでいる、というイメージなのだろうか?すさまじい不協和音…

・ダンサーは寝転がったまま衣装を舞台上で脱いでベージュ色の衣装だけになりつつ、顔にもベージュ色の布をかぶる。上から、四角形と三角形が1人1人のダンサーのところまで下りてきて、それらの記号の中にダンサーが収まって、ダンサーはそれを持ち上げたりもするが、出られない。もがくような踊り。

・チューニングの時のような、ミとラの音が聞こえてきて、ラスト、2幕のヌレエフ版だと王子のソロになる曲でラストオーロラが目覚めるところで幕。

 

開演前のアナウンスで、一部のカーテンコール時に係員がプラカードを掲げたら写真撮影OKです、と言われていたので、ラスト撮ってみました。

 

ballet

ballet

 

 

第二部は結婚式のシーン。こちらはごく一般的なクラシックです。

 

全体的にはイマイチでした。

新国立の眠りを散々見た後だったからですかね…なんだか一体感が薄くて見ごたえがありませんでした。

キラキラの衣装がとても美しくて、それはとてもよかったと思いました。

 

冒頭、メヌエットは王と王妃が踊っていて、その後、通常なら1幕で踊られるリラの精のヴァリエーションが挿入されていました。

あとは、宝石→ブルーバード→猫→赤ずきん、の順のディベルティスマン、猫は被り物ではなくてお化粧しているタイプでした。

宝石の踊りは比較的良かったのですが、他は特筆すべきところはなく…特にブルーバードの女性の方、ピッチピチの元気いっぱい!って感じの踊り方に思えましたが、あまり好みではありませんでした。(私はこの踊りに非常に優雅さを求めているのだな、と思ったり…)

 

オーロラ姫とデジレ王子のパ・ド・ドゥ、悪くはなかったです。

予想よりはよかったかもしれない。

寺田さんは、特に足運びが物足りないと思う時や、背中の動きが欲しい、と思うシーンもあったのですが、手先がとても美しかったと思いました。あと、コーダの回転がとても決まっていました。オーロラソロはどっちかというとロイヤル版の踊りでした。

浅田さんの王子はなんだか情熱的な感じのする踊りで、あまり好みでなかったです。少なくともデジレ王子の雰囲気ではなかった気がする。

(あと、この方の踊りの最中、マネージュとか凄い早いタイミングで猛烈に拍手しだす観客がいて、イラっとしてしまいました。)

 

ラストはオーロラ姫と王子は長いマントを纏って登場し、「アンリ4世賛歌」で幕。

そういえば、それぞれのディベルティスマンの登場人物がはけていく位置が違ったのが何となく気になってしまいました。

2021/1 RF1(アール・エフ・ワン) "みんな大好き!小海老のフライ""ガーリックシュリンプ"【テイクアウト】

デパ地下などの定番お総菜屋さん、RF1 (アール・エフ・ワン) で、海老のお惣菜を買ってみました。

 

みんな大好き!小海老のフライ 100g 594円(税込)
ガーリックシュリンプ 100g 692円(税込)

shrimp

 

写真は、どちらも100gずつでお願いしたものです。

しめて1,300円強のお値段でございました…。

保冷剤も入れて頂けました。

 

RF1ですから、本当はサラダを買うべきだったと思うのですが…

以前から気になっていた小海老フライと、限定品を見たら、こちらを食べたくなってしまいまして…。

 

paper

 

袋に、レンチンする時の時間や方法などの紙を貼ってくれていました。

 

 

 

sauce


タルタルソース、いっぱいなのが嬉しいです。

 

sauce

 

食べた後ですが…ソースの裏面の記載。

 

小海老のフライから頂きます。

 

shrimp

 

100gで注文して、この時は6尾入っていました。

指示通りにレンジで温めてみました。

 

shrimp

 

温め方が書いてあった紙に、破裂注意、と書いてあった通り、確かに最後の方はボフっという音がしていましたので、ご注意ください…。

 

海老の触感がプリプリ、衣もサクサク、止まらないおいしさでした!

またリピートしたいおいしさです。

うん、これは間違いなくみんな大好きでしょうね!

 

shrimp

 

タルタルソースをつけて。

ソースは割と辛め?と思いました。

ピクルスか何かの味でしょうか、結構濃い目の味で、クリーム感は強めです。

個人的には好みではなかったです。

 

続いてガーリックシュリンプ

 

shrimp

 

2021/2/25(木)〜2021/3/24(水)限定商品のようです。

結構、量が多めに見えます。

100gで注文して、半分だったり小さかったりする海老もあったので、8~9尾くらい入っていた感じでしょうか。

 

こちらも指示通りに電子レンジでチンして温めてみました。

 

shrimp

 

お味は、うーん、まぁまぁでしたかね。

周りの甘じょっぱいソースはおいしかったです。

ガーリックチップもかなり入っていました。

でも、やっぱり以前食べた、柿安ダイニングのガーリックシュリンプと比べてしまうと、大分劣ります。

殻の感じがすごく残っていてそれが気になる。

ただ食べ出と満足感は抜群でした!

 

今度は海老のサラダを買わねば…!

 

ごちそうさまでした。

2021/2/27・28 ジゼル[東京バレエ団] 感想

東京バレエ団のジゼル、2公演を観てきました。

ラヴロフスキー振付版、ウラジーミル・ワシリーエフが通常ペザントの踊りを、パ・ド・ユイットに振付改訂したものとのこと。

どのキャストの回に行こうか迷った挙句、ええい、どちらも観てしまえ、と2公演みましたが、どちらもそれぞれの良さがあって大変良かったです。

 

■東バジゼルメモ

・パ・ド・ユイット、見ごたえはあったけれど、並ぶダンサー間で実力差が見えてしまう。男女ともダンサー間で差がないと嬉しい。特に身長差…。

・1幕ジゼルソロ、アルブレヒトはいなくて、彼を探しながら踊るような感じ。

・2幕最初はヒラリオンが墓地に。火の玉が飛ぶ。

・ラスト、マントを引きずりながら墓の方を見て歩き去るアルブレヒトで幕。

 

 

 

キャスト表 2/27 14:00

cast

 

27日昼公演、ジゼルは1月の公演でタリスマンの踊りがとてもよかった秋山瑛さん、アルブレヒト秋元康臣さんです。

この2人は、それぞれの踊りがとてもよかった。

ジゼルの秋山さん、可憐でいじらしくて儚い感じがジゼルにぴったり。1幕のソロ、アチチュードターンが美しくも余裕。2幕のウィリになったジゼルの踊りも、ジャンプが高くて、本当にこの世のものではないような感じに見えました。

ただ、たまに足先が伸びきっていないように見えるというか、つま先の伸びが物足りなく見えるような瞬間があって、それがなんだか少し気になりました。私の気のせいだと思うのですが…あと、狂乱のシーンも、沖さんを見た後振り返ると、ちょっと物足りなかったという印象です。

秋元さんのアルブレヒトは、1幕から拭えない貴族感に唸りました。歩いているだけなのに、足の運びがあまりに美しくて、絶対"村人"じゃない!と思いました。2幕のソロはパがクリア、上体が美しく、ラストはアントルシャ・シスまで。素晴らしかったです。

貴族であることを捨てられない男、というような感じに思えました。ジゼルが亡くなるシーンも、「俺はなんてことをー!」って思っているような、あくまで自分本位のようなイメージでした。

 

パ・ド・ユイットは、2日見た内ではこの日の方が良かったと思いました。特に男性。

見ごたえはありましたが、それ以上の感想はあまりありません。最初にも書いたことですが、ダンサー間の差がなんだか見えてしまってそれが気になってしまいました。

ピンクのお衣裳の女性の方の踊りがステキだったと思うのですが、お顔で判別がつきませんでした…。

 

2幕のウィリ達のコール・ドは圧巻でした。東バのウィリ達、あまり、怖い!という感じではありません。浮遊感があるような、この世のものでない感じ、という方が強いかもしれません。上半身の動きが皆さんとてもきれいなので、柔らかく優しい感じさえも受けました。

この日のミルタは政本さんで、翌日の伝田さんと比べれば重々しく、やや怖さを受けるような感じの役作りに感じました。ポアントでのパ・ド・ブレ、とっても滑らかでした。

ドゥ・ウィリはこの日のお二人が好みでした。中川さんと金子さん、ポーズが美しかったです。

 

続いて28日。

 

キャスト表 2/28 14:00

cast

 

ジゼルは沖香菜子さん、アルブレヒトは柄本弾さんです。

演技がとても良くて、感動しました。

沖さんのジゼルは、何といっても狂乱のシーンが素晴らしかった。見た目がお人形のような、小顔で華奢な方ですが、あのシーンでは本当に壊れてしまった人形のようでした…目がどこを見ているか全くわからない、完全に狂ってしまった、と感じられました。すごかった。

踊りも、個人的には秋山さんの踊りの方が好みですが、これまで沖さんの踊りは、ちょっとなんだか物足りない、と感じることが多かったのですが、そのイメージを払拭する、すばらしい踊りでした。キープ力や、アラベスク・パンシェの美しさが光りました。

柄本さんのアルブレヒトは愛に熱い男!でした。愛があふれてるというか、愛情が濃い。この日、1幕、秋元さんがバレエシューズを履いていた所、柄本さんはブーツで登場していました。

彼のアルブレヒトは、1幕ラストでジゼルの亡骸を抱きしめながら幕、となっていたのが象徴的です。アルブレヒトなりにジゼルを深く愛していたんだな、ということを感じました。

踊りとしては、2幕ソロは正直秋元さんを見た後だと物足りなかったですし、パ・ド・ドゥ後はアントルシャ・シスではなく、ブリゼ連続になっていましたが、サポートが上手で、2幕は沖さんが全く体重を感じさせないように見えました。

ラスト、ジゼルがアルブレヒトに抱えられながら、少し微笑んでいたような気がするのですが、柄本さんのアルブレヒトに深い愛情を傾けられたからこそ、ジゼルも、もしかしたら少しは幸せだったのかしら、と、思えるような気がしました。

 

この日のミルタは伝田さんでしたが、伝田さんのミルタは重々しさや怖さは無く、哀しみを強く感じるような踊りでした。それが、東バの幻想的にさえ感じられるようなコールドとマッチしている感じがして、とてもステキでした。非常に好みでした。

 

 

同じバレエ団の公演でも、こうも違う感動を得られるとは、本当に良かったです。

 こんな状況下にかかわらず、毎週バレエが鑑賞できて、とっても幸せです。

2021/2/20・21 眠れる森の美女[新国立劇場バレエ団] 感想

新国立劇場バレエ団の、ウェイン・イーグリング版、眠れる森の美女を、3公演観てきました。

新国バレエの今年初の観客を入れての公演でした。

 

 

■イーグリング版眠れる森の美女についてメモ

新国立のくるみ割り人形の振り付け、本当に好みではなくて…今回の眠りも若干不安でしたが、こちらは、そこまでの苦手意識は持たなくて済みました。よかった。

以下、内容メモ。公演プログラムも参照しました。

◆全体的

・オーロラ姫の衣装、白→小花模様の青→白。

・カラボスが立ち役でなくポアントで踊る。

◆1幕

・プロローグで天の籠から降りてくるリラの精とカラボスの対立するシーン。

・式典長カタラビュートはお顔白塗り。

・妖精たちの贈り物、子役が持ってくる。鳥かご、花束?髪飾り?、ネックレス、扇子、卵型の何かの入れ物?、宝石箱?。

・妖精が6人。誠実・優美・寛容・歓び・勇敢・気品。6人目の気品の精のヴァリエーションは一般的には無い。2幕の貴婦人たちの踊りの曲を転用。曲も可愛らしくて、振り付けも好み。

・カラボス登場時、結構派手に雷鳴が鳴る。不気味なクモの乗り物で登場。背景にもクモの巣。手下がお尻を出してからかうシーン有。

◆2幕

・各国の王子は踊りほぼなし。ガーランドの踊りの最中にそっと入場し、割と空気。

・編み棒みたいなものは出ず、一貫して糸つむぎが登場。

・カラボス退場時、クモの糸を撒いて消える。

・オーロラ姫が眠った後、いばらの紗幕が下り、舞台転換。(オケもチューニング。)

・100年後、狩の貴族・村の人々の踊りのシーン、背景にずっとぶら下げられた鹿。

・王子のソロ曲は3幕で使われるサラバンド。さらっと短めの曲。

・森の妖精、緑の衣装、胸に赤のワンポイント。群舞、すごい人数で圧巻の踊り。

・オーロラ姫の目覚め後に踊られる、目覚めのパ・ド・ドゥ。ヌレエフ版だと王子のソロの曲。オーロラ姫がちょうどロミジュリのジュリエットみたいな衣装。雰囲気もロミジュリのパ・ド・ドゥのような、ここだけ異質な踊りに見えて、あまり好みではなかった。

◆3幕

・序曲的な部分からディベルティスマンを踊る人物たちも登場していく。

・"親指トムの踊り"男性ソロ。ジャンプたくさん、見どころたくさんの踊り。

・アポテオーズに「アンリ4世賛歌」(ちょっと物悲しい曲調で幕)

 

舞台セットや衣装がとても美しかった。貴族の衣装などが、青を基調に、靴や手袋に赤が使われていたりと色遣いがかなりはっきりとしているものも素敵でしたが、淡いイエローの妖精たちの衣装などもよかった。

妖精や、4人の王子たちの衣装は、それぞれ色などの特徴が違う衣装を着る作品が多いと思っていたのですが、イーグリング版はほぼ色合いが同じ衣装を着ているのも面白かったです。(妖精の衣装は、肩ひもや冠のちょっとしたところの色がそれぞれ違ったと思います。)

ただ、2幕の王子の衣装は胸開きすぎて好みじゃなかったです。。。

 

 

 

キャスト 2/20 14:00

castcast

 

初日、小野絢子、福岡雄大ペア。

3公演見て、個人的に一番良かったと思ったのは、このペア。

 

小野さんが、もう、本当に完璧でした。完璧なオーロラとしか言いようがありません。

客席に、パの一つ一つで光を放って周囲の邪気を払うかのような、神々しさを感じました。

東フィルのオケがとても良かったのもあると思いますが、音楽と渾然一体となっていて、特にソロヴァリエーションの、もはや小野さんが音楽そのものみたいな踊り、最高でした。

ローズアダージョで、2回目のアチチュード・バランスでは、手をアンオーに持っていく余裕っぷり。

(唯一、ローズアダージョで、花を床に投げる直前に、4人の王子から花を受け取る部分、2人目で花を落としてしまったのが失敗らしい失敗。)

福岡さんは、2幕のヴァリエーションはちょっとイマイチ?と思ったのですが、3幕のヴァリエーションがキレキレで冴えわたっており、パ・ド・ドゥはさすがゴールデンペアという息の合った踊り、ラストのコーダでのオーロラとの踊りのシンクロ具合では、もう涙が出そうでした。

 

リラの精は木村優里さん、カラボスは本島美和さんで、本島さんのカラボスが素晴らしいのはもう予想通りでしたが、木村さん、それに負けてなかったです。

リラの精のヴァリエーションは、ロイヤルのリラの精の踊りにそっくり?のような。木村さん、ふわふわ―っと軽く、本当の妖精のよう。回転技も決まっていて、素晴らしい踊りでした。

本島さんのカラボスは怒りが強めで、面白がっている時もあるような感じの役作りに感じました。余裕の笑みさえ浮かべる、妖艶なカラボスでした。

1幕ラストのクモの乗り物に飛び乗るシーンがかっこよかった。

 

妖精のヴァリエーションは、特に気品の精の横山柊子さんの踊りがステキでした。

踊りや曲が自体が自分の好みなのもあるかもしれないですが、上体やアームスの動きがすごくよかったと思いました。

 

この回、100年後のシーンで、ガリソン(王子の友人)の演技がとてもよかった。「え?俺?」みたいな声が、舞台から聞こえて来たような気がしました。

 

3幕は、宝石の踊り、細かい跳躍の続くパなどがいっぱいで見ごたえたっぷりでした。

女性3人のトロワは柴山さんが光っているなぁ、と思いました。顔、ポードブラが良くつけられてて、とてもよかった。ゴールドの速水さんは、相変わらず跳躍の跳びっぷりが、何回見てもすごいなぁと思ってしまいました。宝石の衣装は、女性が、ゴールドを基調に裾の部分が縞模様で色違い、男性は白い衣装?でした。

青い鳥とフロリナ王女は奥村さんと池田さんで、青い鳥の奥村さんの柔らかいアームスや背中の動きがとてもよかった。あと、池田さんの目線のやり方が、とても素敵になったなぁ、と思いました。

赤ずきんと狼の踊り、五月女さんのバネがすごかった。狼の被り物の顔が結構コミカルでした。

親指トムの踊りも瞬間芸的な見どころだらけの通りでした。井澤諒さん、良かったです。

 

timetable

 

 

キャスト 2/21 13:00

castcast

 

鑑賞2回目、木村優里、奥村康祐ペア。

本当は井澤さんがデジレ王子にキャスティングされていた所、ケガのため奥村さんにキャストチェンジ。

井澤さん、大丈夫だろうか…。

木村さんも、前日はリラの精、この日主役で初合わせの奥村さんと主役を踊り、ソワレもリラの精、となかなかハードでちょっと心配していましたが、全くの杞憂でした。

 

木村さん、他の回のオーロラにはあまり感じなかった、初々しさと可憐さがあって、ずっと可愛らしい姫でした。

一つ一つのパの度に、あたりに小花をたくさん咲かせるようなイメージ。

ローズアダージョはアチチュード・バランスでアンオーにこそしませんでしたが、危なげのない踊りでした。

貫禄、というのとは少し違うかもしれませんが、主役として舞台の中央に立って輝くエネルギーを感じました。

奥村さんのデジレ王子、すごくよかったので、本当に見れてよかったな、と思いました。

もとからキャストに入れといてくれたらよかったのに。

ソロの上半身の美しさに惚れ惚れしました。

心配していたパ・ド・ドゥも全く、初合わせを感じさせず。

奥村王子がオーロラ姫を見るまなざしが優しくて、すごく愛を感じる3幕パ・ド・ドゥでした。

 

この回、リラの精の細田さんと、カラボスの寺田さんが非常に良くて、この2人のおかげでより印象的な公演になったと思います。

登場のシーン、ぐっと手を握りあってカラボスとリラが対立。

(木村さんと本島さんの時は手の平を合わせていただけだったと思う。)

細田さんのリラの精、とっても音楽性があって、柔らかいアームスの動きがとても優美で美しかったです。

カラボスの寺田さん、名演だと思いました。本島さんのカラボスは怒りを強く感じ、面白がるような演技も混ざったような気がしましたが、寺田さんのカラボスは深い恨みが強力に感じられる演技だったように思います。カっ、と目を見開く表情もとても怖かった。

(2幕、オーロラが倒れた後のシーン、最後にカラボスが撒くクモの糸が、最初から少し出てしまっていて、足に絡まりやしないかとちょっとソワソワしたのですが、大丈夫でよかったです…)

バランスが良いというか、2元的な対立が際立っていたと感じました。

 

この回は初日とはほぼ、どの踊りもダンサーが違います。

妖精のヴァリエーション、池田さんの寛容の精の踊りが良かったです。上体の沈みっぷり、とても立体的に見える体の使い方でした。

廣川みくりさんの歓びの精の踊りも、初日の方よりは手のパタパタ具合とか、飛び跳ね感などが良かったと思いました。

プログラムを見た時は、てっきり五月女さんが歓びの精の踊りを踊るのだと思っていたのですが、勇敢の精の踊り、すごくピッタリでした。体が沈んでからの動き、パの移動距離、身体能力が光っていました。

 

3幕のディベルティスマンは、長靴を履いた猫の宇賀さんがすごくよかった!いちいち仕草がコミカルで、動きも俊敏で本当に猫のよう。とても上手でした。もう一回見たい。

青い鳥とフロリナ王女は、フロリナ王女の柴山さんがすごくこの踊りに合っていたと思いました。私はとても好みの踊り方。

青い鳥は速水さんで、跳躍が元気いっぱい。アントルシャシスもすごい高さで、ブリゼ・ボレは音楽もすっごくスローで滞空時間がとても長かった。

でも、上半身に柔らかさが無くてちょっと下半身とちぐはぐに見えて、踊りとしては宝石を踊っていた時の方が合っていたな…と思いました。

 

timetable

 

キャスト 2/21 18:30

castcast

 

鑑賞最後、3回目、米沢唯、渡邊峻郁ペア。

3回目になってやっと、コールドの踊りにすごい量のソリストたちが動員されているところまで見れるようになりました。なんて豪華。

 

米沢さんのオーロラは研ぎ澄まされた宝石のような輝きを放っていました。

パがクリアだから、クラシックな踊りは本当に絶品。

ローズアダージョのアチチュード・バランス、2回目は余裕のアンオーを交え、1幕のオーロラソロでは、1回転、2回転、3回転と、徐々に回転回数を増やすことまで。(他の回ではなかったはず…)カラボスから花束を受け取る直前のパもうなる程ステキでしたが、特に森のシーンのオーロラソロが素晴らしかった。ランベルセの背中やポードブラが抜群に美しかったです。

3幕は、可愛らしさと無邪気さと、気品とが同居している、最強の姫の中の姫、という感じ。

渡邊さんは、2幕の王子の衣装が中では一番お似合いに感じました。最近ずっと、不安な気持ちで見てしまうのが抜けないのですが、3幕の王子ソロはとてもよかったです。

 

ヴァリエーション等はほぼ初日キャストと変わらないので割愛。

変わらず素晴らしかったです。

 

 

timetable

 

公演の内容以外の事としては、チケットは販売制限があったので、取るのにかなり苦労しました…。

座席数は50%、市松模様ではない配置で、1階から、大体3階くらいまでの座席がぎっちり埋まっている、といった、様子、緊急事態宣言中ということで、売店で飲み物や食べ物がの販売は休止、飲食もロビー・ホワイエでは控える、という形でした。

そういえば、お手洗いの便座を拭くシート、なくなっていました。あと、蓋をしめてから流して、の掲示も消えていたような…?

 

どの回もそれぞれ本当に素晴らしかったので、苦労してチケット取った甲斐がありました。

全部見終わった時は、あまりの興奮に目が冴えて、なかなか眠れませんでした。

日本国内でこんな公演が見られるなんて、本当に幸せだ、と思います。

それぞれの回の主役たちの踊りももちろん絶品でしたが、今回は特にヴァリエーションを踊るダンサーたち、1人1人それぞれの個性が光っているというか、それぞれにニュアンスがあって、観ていて非常に面白かったです。

あと、東フィルのオーケストラが相変わらず良かった。序曲の勢いのある演奏、永遠に聞いていたかったです。

 

2021/2 キッチンチェック "海老フライ" 超高密度ぎっちぎちの海老フライ

池袋に用事があったので、前から気になっていたお店に行ってみました。

有名な洋食屋さん、「キッチンチェック」さんです。

 

駅徒歩3分の好立地です。

 

restaurant

 

もう外観がレトロでかわいい。

 

restaurant

restaurant

 

平日お昼時、次々と人が入店していました。

テイクアウトを注文して、お料理を待っているお客さんもいたようです。

 

 

 

店内は、厨房を囲む形でカウンター席がぐるっとある形。

ほぼほぼ満席でしたが私は1人だったので、角っこの隅の、ちょっと空いているスペースにあった席に何とか収まって、待たずに済みました。

(が、めっちゃ狭かった…正直、コロナ的には大変不安になる店内の様子でした。)

 

店内のランプシェードがレトロでかわいかったのですが、写真にはおさめられず…

お店の、道路に面していない方の出入口側はゲーセン?なんですかね。

結構いろいろな音がしてにぎやかでした。

 

restaurant

 

さて、お目当てはもちろん海老フライです。

1皿3本の海老フライが食べられるメニューがあるとリサーチ済みですので、すぐさまそれを注文。

 

ペーパーナフキンに、お店の外にもあったお顔のロゴが。かわいい。

 

restaurant

 

注文からほとんど待たずに、凄まじい速さで海老フライが到着しました。

お2人で厨房まわされていて、阿吽の呼吸で大量の注文を捌かれているのを見るのも面白かったです。

まな板の上に、半分に切られためちゃめちゃ玉ねぎがスタンバイしていました…

 

海老フライ(半ライス) 1,650円(税込)

fried shrimp

 

ご飯、お味噌汁付きなのが町の洋食屋さんっぽくていいですよね。

 

fried shrimp

 

大きな海老が3本…!

 

通常1,700円のセットですが、ご飯を減らしてもらうと50円値引きしてもらえました。

(ご飯をよそって頂いている段になって減らしてくださいとお願いしてしまって、ちょっと申し訳なかった…。)

 

この海老フライ、過去食べたことがない程、身がぎっちぎちの海老で、凄まじい食べ応えでした。

なんだろう、海老の種類とかが違ったりするんでしょうか?

あまりに高密度の身だったので、一口大に切るのも大変で、狭いスペースの中でお皿から海老を吹っ飛ばしたりしないように注意して切りながら食べました。

いやー、これは今まで経験したことのない海老フライでした!

 

タルタルソースは割とさらっとしている、薄めのタイプだったように思います。

量がたっぷりあって嬉しかったです。

 

キャベツ部分には、玉ねぎのかな…と思ったのですが、甘めのドレッシングがかかっていて、それもおいしかったです。

 

あと、フォークで食べるお味噌汁というのがなんだか新鮮でした。

わかめたっぷりでおいしかったです。

 

見づらいですが、卓上にあったメニューなど。

 

fried shrimp

restaurant

 

店内はオムライスか、ランチのセットを頼んでいらっしゃる人が多かったと思います。

(値の張る海老フライのセットを平日真昼間から頼む人はそれほどいないですよね…。)

 

注文した品がカウンター上に置かれ、自分で取って、食べ終わったらカウンター上にお皿を戻す、という、ラーメン屋のような感じで、なんだかそれもまた面白かったです。

 

この空間にいて、食事すること自体が楽しい経験でした。

 

今度はオムライスとかも食べてみたいなぁ。

 

ごちそうさまでした!

 

tabelog.com



 

2021/2/20 眠れる森の美女[パリ・オペラ座バレエ団](パリ・オペラ座バレエ・シネマ) 感想

前回鑑賞時、原因不明で音ズレしていたということで、再鑑賞。

今回は、もちろん、まったく音ズレなく、前回の凄まじいストレスがウソのように大変快適に鑑賞。

 

今回も簡単に箇条書きでメモだけ。

 

 

・暗い舞台からスタート。明かりを持った人々が登場。赤ちゃんのオーロラ姫は最初から舞台中央で寝ている。

・コールドが何度見ても凄い。凄まじい人数のダンサーがこれだけ動いてこんなに美しいなんて、本当に恐ろしい構成力、振り付けだ。

・出てくる妖精は6種類、2番目の妖精(オペラ座での名前がわからないけど、元気の精?)に、多分、レオノール・ボーラックが。この妖精が2人いるから、計7人になり、通常ならリラの精になる妖精を頂点にするとシンメトリーができる人数に。5番目の妖精(勇気の精?)のヴァリエーション、ちょっとした跳躍などの移動距離が凄まじい。通常ならリラの精のヴァリエーション、曲がすごいスローテンポなのにすごいキープ力。

・カラボス、玉座を奪って座る、という部分があって象徴的。"針を刺したら姫は死ぬ"の演技の部分は、手振りだけではなく実際に針を持っている。

・カラボスの手下と、妖精達が混ざって一緒に踊る。事態の混乱っぷりが良く伝わる振り付け。

・1幕ラスト、編み物をしている人から実際に編針を取り上げるシーンあり。

・幕間の字幕、"spindle of a spinning wheels"

・2幕最初、カラボス自ら編針を女性たちに渡していた。この女性たちの踊りがとてもかわいい。手を繋いで、その間をくぐって、人が周りにいない確認する、というフリ。

・オーロラ姫、渡された花は最後も放り投げずに王妃に渡す。

・王子4人が長身で本当に素敵。4人のパのシーン、コミカルに見えなくもないけど、すごく美しい。

・花束をカラボスから受け取る直前のオーロラの踊り、ミリアム・ウルド=ブラームが動くたびに大輪のバラが舞っているような感じ。跳躍しながらのアンレールが、耳元から手を持ってくる仕草が、最高に美しい…。

・4人の王子が、眠りに落ちて倒れるオーロラを膝で抱えていた。

・あっさり4人の王子を倒すカラボス…。

・100年後の場面、目隠しをされるのは王子。

・王子のソロが何度見てもすごい。すさまじい"王子"という説得力。なんであんなに力まずに回ったり跳んだりできるんだ。鬼ステップのあのソロをあそこまで踊りこなせる生身の人間がいるなんて信じられない。こんなに美しい動きを、人間ってできるものなのか…。

・城に行く船は割と簡素。

・3幕、宝石は5人。ダイヤモンドとゴールドで女性、男性ダンサーがプラス。ゴールドの踊り、振り付けがすさまじい鬼ステップ。

・ブルーバードのフランソワ・アリュへの拍手がすごい。熱いブルーバード、って感じ。コーダ、ちょっと滑ったりしちゃう所がご愛敬。

・猫のパ・ド・ドゥ、被り物などはなし。パリ・オペに無関係だけど、何度聞いてもここの曲、絶対チャイコフスキーは猫好きだったと思ってしまう。

・オーロラ姫とデジレ王子のパ・ド・ドゥ、ミリアム・ウルド=ブラームのオーロラ姫、3幕は高貴な姫に成長した、という説得力があった。マチアス・エイマンが、もう何度も言うけど本当に神がかっている。高速のシェネにため息。コーダのパ・ド・シャからのストゥニュー連続?の、畳みかけるような鬼ステップのユニゾンが素晴らしかった。

・ラストの音楽は明るい曲調で終了。

 

 

パリ・オペラ座での上演日:2013年12月16日

上映時間:2時間45分

振付:ルドルフ・ヌレエフ

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

 

キャスト

オーロラ姫:ミリアム・ウルド=ブラーム

デジレ王子:マチアス・エイマン

フロリナ姫:ヴァランティーヌ・コラサント

青い鳥:フランソワ・アリュ

リラの精:マリ=ソレーヌ・ブレ

カラボス:ステファニー・ロンベール

妖精たちのヴァリエーション:エロイーズ・ブルドン、オーバーヌ・フィルベール、レオノール・ボーラック、ローラ・エケ、シャルリーヌ・ジザンダネ、サブリナ・マレム、エヴ・グランツスタイン

4人の王子:オドリック・ベザール、ヴァンサン・シャイエ、フロリアン・マニュネ、ジュリアン・メザンディ

公爵:クリストフ・デュケンヌ

宝石のヴァリエーション:エロイーズ・ブルドン、ヤニック・ビットンクール、エロイーズ・ブルドン、アメリー・ラモルー、サブリナ・マレム

白い猫:オーバーヌ・フィルベール

長靴を履いた猫:ダニエル・ストーク