新国立のニューイヤー・バレエに今年も行ってきました。
当日のタイムテーブル
会場の様子
今年のニューイヤー・バレエの演目はどれもエネルギッシュでした。
セレナーデは座席の関係で舞台を上からみる感じだったので、フォーメーションの美しさがよく見えました。
スカートのフワフワの布が優雅に舞っていて美しく、途中からの髪をほどいての踊りも情緒たっぷり。
バレエのレッスンから着想を得た振り付け、ということですが、これといった強いストーリーがあるわけでもないのに、情緒まで揺さぶるような作品となっているのは非常に面白いと思います。
ソロの寺田さんには途中疲れが見えた所もありましたが華があり、細田さん、柴山さんも繊細で緻密な踊りでした。
隅々までピタッと揃った踊りは圧巻です。
また、男性の中家さんのサポートの、がっちりホールド感が良かったと思いました。
小野&福岡のライモンダは、なぜソロすらなくパドドゥだけだったんでしょうか…
白と金の衣装も豪華で、小野さんの宝石のように死角のない美しさが見れたのは大変よかったのですが…全く物足りなかったです。
ライモンダは今度全幕やるから、ってとこでしょうか?
コマーシャルにしても短かったなぁと思いました…。
海賊の速水渉吾さんはダイナミックで鮮烈でした。
跳躍が高く、のびのびとしていて、 技もかなり決まっていました。
あまりに予想外に良い踊りに興奮していたら、木村優里さんのソロの最初の大ジャンプをちょっと見逃してしまいました。
木村さんは優雅で安定した美しい踊りをを見せていました。
得意の回転技、フェッテでは途中失敗してしまったのですが、それまでは3回転もいれたりと調子良く、さらに、その失敗の後のシェネなど、きちんと持ち直した所が素晴らしかったと思います。
今回のニューイヤー・バレエは、なんといってもDGVがよかったです。
これがめちゃくちゃかっこよくて、体感では本当にあっという間に終わってしまいました。
衣装はレオタードだけ、新国立バレエ団のダンサーの身体の美しさを堪能できます。
豪華なキャスティングで舞台奥から手前から、全体でそれぞれ別の振りで踊るので目が全然足りませんでした。
カクカクしたどこかメカニックな動きもある、リフトが多いスリリングな振り付けで、まさに旅行中の電車の景色の移り変わりのように、切れ目無くダンサーが入れ替わります。
その踊る場所、すれ違う場所も、適当なようで絶妙に計算されているようです。
マイケル・ナイマン作曲の「MGV」は、太鼓など打楽器が響き、電車の音のように規則的で疾走感あるリズムを刻み、かと思えばピタッと止まったりとおもしろい曲でした。
それぞれのパート、4組の男女のペアリングが新鮮でした。
小野さんはライモンダの時とは打って変わり、端正ですが溌剌とした踊りでした。
小野さんとペアの木下さんが特に楽しそうに踊っていたようだったのが印象的でした。
また、渡邊さんとともに、おそらく作中で一番長いパートを踊った米沢唯さんは、とにかく足の美しさに見惚れます。
彼女の身体能力の高さが、コンテンポラリーでは如何なく発揮されている感じがしました。
ラスト、オケが止まった瞬間の、 ダンサーの息遣いと少しの足音のみだけになる瞬間は不思議な余韻が残ります。
非常に面白い演目で、これを上演できた新国立のエネルギーを感じることができました。
ぜひ再演して欲しいと思います。
今回の特別アンケート特典は新国立の座席表一覧という最高に使えるクリアファイルでした。
ありがとうございます!