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ju-hachi

2022/7/13 ロイヤル・バレエ・ガラ[Aプロ] 感想

ロイヤルガラ、まずはAプログラムを鑑賞してきました。

どうして上野でなくオーチャードホールで上演になったのかがちょっと不思議。

コロナがなかったらマノン全幕だったのではと思うのですが…残念。。。

金子さんが出演されないかな、と楽しみにしていたのですが、プリンシパルになりたての若い女性陣は日本には来ていただけなかったようで…大変残念でした。

そして、来年のカンパニー来日公演はロミジュリ上演になったらしいということで…うーん、もう日本ではキャッチーでお客が呼びやすい演目しか上演してもらえないもんなんでしょうか…

 

cast

 

 

全体的なメモとして、前半は、かなりしっとり目の演目が多かった記憶です。逆に後半は明るい感じの演目が多めかな。ヌニュス以外の女性陣のポアントの先がぐるっと縫ってあるのかざっくり平たい感じだったのが目につきました。

 

「明日」
最初にナレーションのような声が入った後に歌に合わせて踊る、という作品で、クリスタル・パイトのやつだったけ?と思ったらウェイン・マクレガー振り付けでした。流行りなんですかね。比較的面白い作品だったな、と思います。
フランチェスカ・ヘイワードは動きが繊細に感じました。動きも滑らかで連なる感じが良かったなと感じました。セザール・コラレスは上半身の動きが美しかったのですが、そもそも踊る場面少な目だったのがやや残念。
 
「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ
抜粋ですが、ストーリーが感じられるようにつなげてくれたのが良かったなと思いました。ただなんか省エネ感。サラ・ラムもマルセリーノ・サンベも悪くはなかったですが、マルセリーノ・サンベは別の演目で見たかった。なんだかアルブレヒトにしては高貴さとか貴族らしさに欠けた感じがしました。
 
「ル・パルク」
生演奏のピアノが入っていて良かったです。ヤスミン・ナグディとリース・クラークが踊りましたが、リース・クラークが高身長だからとんでもない身長差。この演目、リース・クラーク側の問題を特に感じたのですが、ル・パルクにしてはびっくりするぐらい色気が無さ過ぎて…女性側が体をこすりつけるような部分なんかは、妙に動物っぽい感じに見えました。全く別の作品のように感じられて、これはこれで面白かったというかなんというか。
 
「アポロ」よりパ・ド・ドゥ
マリアネラ・ヌニェスは今回来てくれて本当に良かった。男性より女性が良く踊る部分の抜粋だったのですが、ただただ2人とも美しくて見とれました。踊りの正確さに神聖さすら感じさせられました。
 
白鳥の湖」より第2幕のパ・ド・ドゥ
佐々木さん、プリンシパル達に囲まれた中で決して踊り負けてはいなかったと思うのですが、うーん…全体的に緊張感に欠けました。どうしてこんな難しい演目にしちゃったのか。もうちょっとこう、踊るにしてもコンテとか、良い演目があったのでは。後、ロイヤルの白鳥の、肘から先の手をやたらとヒラヒラ動かす感じなのが私はやや苦手なんだなと…。ウィリアム・ブレイスウェルの王子姿は美しかったのですが、もうちょっと踊ってほしかったですね。
 
ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ
高田さんはケガから無事に復帰されていてよかったです。キラキラステップがまんま、恋に浮かれるようなジュリエットの感じで可愛らしく感じて、大変好みのジュリエットでした。アレクサンダー・キャンベルは…うーん、ちょっと個人的にはロミオではないんですよね…舞台からはじけ飛んでいきそうな情熱溢れるような、技巧的な踊りは印象的だったのですが、なんだか2人がアンバランスで盛り上がりに欠けました。
 
「コンチェルト」より第2楽章のパ・ド・ドゥ
かなり良かった作品。平野さんのサポート力がとても活きた演目でした。サラ・ラムが持ち上げられたままポーズがぶれず、平野さんも全く体が動かないので、なんというか人を人が持ち上げられているように見えず、まるでこの世のものではなく浮遊しているのでは…?と思わせられて、なんだかとても崇高な感じがしました。何回か別のダンサーで見ている演目だと思うのですが、今回が一番見ごたえを感じたかもしれません。
 
「マノン」より第1幕(寝室)のパ・ド・ドゥ
デ・グリューも…アレクサンダー・キャンベルの役ではなかったです…なぜ彼に当てたのだろう…。フランチェスカ・ヘイワードは小悪魔的というか、何考えているかわかりづらい感じがマノンピッタリに思えましたが、この場面というか「マノン」はデ・グリューがあんまりだといくらマノンが何しようがなんだかなぁ、となることがわかりました。
 
「精霊の踊り」
前にムンタギロフが踊った時は、まだ見ごたえがあったような気がしたのですが、それと比べるとやっぱり劣りました。ダンサーの見た目という点ではウィリアム・ブレイスウェルも十分ではあったと思うのですが、技術と、解釈でしょうか、いろいろと全てが揃っていないとダメな難しい踊りなのだろうなと思います。彼の踊りはなんだか深みがないというか、平面的に感じました。踊りの中ではブリゼのパートは美しかったと思います。
 
「海賊」よりパ・ド・ドゥ
 なんでロイヤルが海賊やるのさ、と思っていたのですが、予想外によかったです。全体的にちょっとお上品な感じに見えるのがロイヤル感ありました。あと、ヤスミン・ナグディのお衣装がボディが明るい青で、白いチュチュにシースルーの長袖つき、キラキラのティアラつき、というのもお上品で大変良かったです。全幕上演はレパートリーに無いようなので、本当にガラ公演でしか踊らないのでしょうか。
アリは間違いなくセザール・コラレスの当たり役なのでしょう。ソロの回転のキレ、軸のぶれなさが素晴らしかったです。ヤスミン・ナグディのピタっととまるポーズも美しく、コーダは両者ともちょいちょい技巧を効かせた踊りで盛り上がりました。
 
「ジュエルズ」より"ルビー"
高田茜、マルセリーノ・サンベのペアで、2人とも軽やかなステップを見せ、両者とも、もう1つの演目よりはこちらの方が間違いなく良かった。この2人だと弾けるような踊りなのかな、と思っていたら、意外にも落ち着いていたというか、シックなルビーとでも言うべような踊りだったと思いました。ただ、パートナリングにやや難を感じました。
 
「インフラ」よりパ・ド・ドゥ
引退したエドワード・ワトソンが来日してくれたこの演目は、大変素晴らしかったです。サラ・ラムとエドワード・ワトソン、両者の身体能力を駆使した動きの滑らかな連続性に見惚れて、そもそも短い演目ですが、もうなんか体感2秒ぐらいで終わってしまった感じ。体力的な問題などもあるかもしれないですが、彼はせっかく来てくれたのだし、なんだったらもっと他の演目も踊ってほしかったですね。。。非常に足が美しくて見ていて自然とため息が出ました。
 
チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
前のロイヤル来日公演でカスバートソンが踊って感動したチャイパド、マリアネラ・ヌニェスも最高でした…。本当に来てくれて、この踊りを見せてくれてありがとうございました。彼女の踊る喜びを感じているような様子を見て、こちらも踊りを観る喜びを感じて自然と笑って最終的には感動して涙ぐんでしまいました。リース・クラークはコンテよりこちらのがまだ良かったです。あの長身をよくぞここまでコントロールできるな、と思うのですが、それでも音にのりきれていないような部分もあって、もうちょっと頑張っていただきたいところ。見た目は本当に素晴らしく王子で映えるので、あとちょっと踊っている最中に肩のあたりとか腕の力が抜けるといいのかな、美しいラインをみせてもらえると良いなと思いました。
 
ラストは全員お祭り大技連続でワクワクしました!ヤスミンは回転しまくり。サンベ、高田さんの跳躍の高さ、サンベは特に空中浮遊かと思うほど。ラムと平野さんペアもメチャクチャ高いリフトからのダイブを見せ…と、もう一回この部分が見たかったですね。

 

timetable