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ju-hachi

2020/1/11 白鳥の湖[キエフ・バレエ] 感想

キエフ・バレエは13日のノヴィコワ&サラファーノフの回を押さえていたので、他の日は行かないつもりだったのですが、お安くチケットが手に入ったので別日も鑑賞しに行きました。

 

キャスト(クリックで拡大)

cast

 

 

 

コフトゥン版白鳥、全体的に足技を見せる感じのコールドの踊りで、繰り返し繰り返しの足捌きが大変そうでした。
全体を通して自分が思っていたよりもコールドがかなりそろっていて美しかったです。

特に、湖の場面の四羽の白鳥はこれだけピッタリ揃って踊っているものを久しぶりに見たように思います。

 

しかし、1幕のコールドの衣装は男女それぞれ統一した一色だけなのですが、特に女性のチュチュがピンクっぽい紫に青を重ねたような、少しお教室発表会感ある感じであまり好みでなかったです。
パ・ド・トロワ女性の衣装も短め丈で妙に妖精チックな感じに見えました。

背景も若干安っぽくて。。
王妃とお付きらの衣装が豪華なので余計になんだかなぁ感が増した気がします。

(まぁ、チケットもとからお安いからしょうがないかなぁ…)


このバージョン、道化がおらず、それも少し寂しかったです。

ただ、パ・ド・トロワに王子が絡むなど、王子の見せ場は多めでした。

 
この公演、大きな白鳥の一人が途中で、多分足をケガして退場してしまっていました。
かなり痛そうでした…
結構、舞台中の事故を見かける方な気がしますが、途中退場が必要な程のものは久しぶりかもしれません…

 

2幕の衣装やセットは1幕より少し重厚感あって良かったです。
しかし、花嫁候補の衣装がこれまたチュチュで短いベールみたいなを被ったものだったのですが、あんまり好みでなかったです…。

花嫁候補に大きな白鳥で怪我をした一人がキャストされてたのか、4人のはずが3人の踊りになっていました。

うまく調整して踊ってて気づきにくかったのはさすがでした。

 

2幕、スペインの踊りは優雅なのですが見応え薄目だなと思いました。
ナポリの踊りを踊ったヴィタリー・ネトルネンコが柔軟性あり、溌剌とした踊りで大変良かったです。

 

主役のムロムツェワはなんというか、若々しい白鳥でした。
彼女はとにかく見た目がうっとりするほど美しいです。
超小顔で目が大きく、手足がほっそりと長く、少女マンガから抜け出てきたような感じです。
オデットについてはそこそこよく、パッセの足の位置が高く、回転が決まっていました。

それでも、ポードブラがやや固いような、大味感ある踊りには見えました。

 

オディールは色気が足りないというか、可愛らしすぎて私にはいまいちでした。
入れた力も空回りしている感がありました。
グランフェッテは小技も二回転もいれており、頑張っていましまが、特にソロは感情もあまり見えず、振りをなぞるのにいっぱいでコンクールのバリエーションのように見えてしまいました。

年末見て気に入っていた、コンダウーロワのオディールが比較になってしまったのもよろしくないとは思います。
こういうなんだか可愛い黒鳥というのもありっちゃありじゃないかな、とも思いましたが…。

 

王子役のヤン・ヴァーニャは流れるような踊りで、力なく見えてしまう部分もあった気がするのですが、まぁ、そつなかったと思います。

3幕はマリインスキーでも見る、黒鳥達が混ざるコールドでした。

(この黒鳥が混ざるの、やっぱりよくわからないなぁ。。。)

 


ラスト、王子がロットバルトの片翼をもいで倒すわけですが、この版では翼をそのまま、「とってやったぞー!」と見せつけるように掲げて持ち歩きます。

しまいに袖へと消えるロットバルトに方翼をぶん投げるのですが、この場面でちょっと笑ってしまいました。

というのも、ヤン・ヴァーニャ王子は背が高く、ややごつく、ロットバルトよりもよっぽど強そうだったので、結局、愛よりも王子が最強だった感が出てしまったように思えてしまいまして…。

(こんなの私だけだと思いますが…)

 

全体的には丁寧な踊りが見れて満足な公演でした。