2020年初バレエ鑑賞です。
マリインスキー劇場で永久メイさんのラ・シルフィードを観れたとは、幸せ過ぎました。
キャスト表(クリックで拡大)
非常に上演時間が短い演目なので、19時開演で20時半過ぎには終演でした。
マイムが多く、踊りのシーンが比較的少なくて大きなリフトなどもないのですが、あざやかな結婚式の場面や、幻想的な妖精の森の場面などは美しく、見ごたえがあるかとは思います。
舞台の随所にある、シルフィードが消えるための仕組みがあったり、上下するための装置だったり、そういう仕掛けを見るのも面白かったです。
窓からシルフィードが降りてくる場面は、装置がガタッと音がして怖かったけど…
主役のシルフィード、永久メイは、ふわっと力みなく軽く、本物の妖精のような踊りでした。
冒頭、眠るジェイムズの周りを楽しそうに踊る姿や、ジェイムズを森へ誘い出す場面では、くるみ割り人形のマーシャを演じていた時とはまた違う、一切の穢れのない無邪気さと、愛くるしさを振りまいていました。
ジェイムズが誘われていってしまうのも納得、これはショールかけちゃうわ…と思ってしまいました。
踊りについても盤石のテクニックで、1幕・2幕とも難しくハードな足さばきの続く振りも優雅に踊りこなしていましたし、相変わらずポアントで立ち続ける時間が長いので、浮遊感が強くより妖精らしく見えるのだと思いました。
もう、この役を踊るために生まれてきたかのようなはまりっぷりでした。
(ちなみに、Youtubeにある彼女のシルフィードのデビュー動画で、ラストの息絶えるシーンの衣装のビーズ?や糸が垂れちゃってるのが気になるな…と思っていたのですが、あれを引っ張ると背中の羽が落ちる仕組みなんですね…)
スチョーピン演じるジェイムスは、赤いチェックの衣装がとっても似合っていました。
この演目、ジェイムズは結構な身勝手で一つも感情移入できる余地がないわ、と思うのですが、彼のジェイムズはシルフィードを追いかける一心さが伝わってくる演技で、いつもより少しは同情的になれたような気がします。
跳躍や足さばきも美しく安定した踊りでした。
一番すごかったのは何といってもイーゴリ・コルプの演じるマッジの登場するおどろおどろしいシーンです。
圧倒的な迫力があり、物語としても見事マッジの策略通りとなるし、特に2幕最初のシーンは主役だったっけ?と思うほど印象に残るものでした。
バレエをあまり観ない同行者も、マッジが一番印象に残った!と言っていました。
今回、舞台すぐ手前のやや見上げるような席だったので、ブルノンヴィルの非常にきつそうな足さばきをじっくり見ることができました。
コールドのそろった足さばきは大変見ごたえがあり、ロマンティックチュチュのフワフワ揺れる動きに至るまで美しく、まるで夢を見ていたように感じられました。
カーテンコール